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「ベイビー・ブローカー」★★★ [映画日記]

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タイトルがキマってるネ、「ベイビー・ブローカー」。
 
響きが良いです、なんか「ベイビー・ドライバー」みたいで。
 
あるいは「ボス・ベイビー」みたいで!
 
是枝裕和監督の新作ですけども、オハコの「擬似家族もの」。
 
どことなく、監督が手がけた前作「万引き家族」っぽいかな。
 
なんとなく、万引き臭いです!
 
予想していたよりは「パンチが弱い」と思ったのですが、その分、優しい話になっていましたね。
 
「赤ちゃんポスト」を題材にした作品。
ポストに入れられた赤ちゃんを横流しする男性2人と、赤ちゃんの母親が交流を深めるお話。
 
「犯罪×母性」という両極端な要素を合体させた、複雑な人間模様がたまりません。
「よくこんなお話を考えつくな〜」と思います。
 
横流しをする男性も、子を捨てる母親も、根は悪人ではない、という、グレーな人間描写も冴えてます。
 
是枝さんの作品には、これまでも「擬似家族」の他、スパイス的な要素として「売春」「捨て子」「倫理が曖昧な犯罪」が描かれてきましたけども。
 
そんなスパイス的な要素を、今作では多めにぶっ込んできてますね。
 
インドカレー並みに効いてるんですよ、香辛料!
 
バターチキン並みなんですよ!!
 
是枝作品でおなじみの描写、「子への愛」も溢れています。
 
子役使いも、相変わらずお上手。
 
うまいこと使いたおすんですよね〜、ガキンチョを!(←言い方)
 
「シングルマザーが、子を捨てず幸せになる方法」を提案する、社会派の一面も。
 
総合的に、是枝さんの集大成的な物語になっていたと思います。
 
是枝・総合商社みたいな映画なんですよ!
 
そして今作は、是枝監督作では初めての韓国製&オール韓国語作品なんですよね〜。
 
出てくる人物は全て韓国人俳優なのですが、一見、韓流映画に見えて、流れている空気感は「是枝ふう」って、とっても不思議でした。
 
通常、韓国人が作った韓国作では、韓国キャラクターの演技は激しめでドラマチックですけども。
 
濃いお国柄ですけども!
 
是枝さんの作風って「静かなナチュラル系」だから、何か変な感じ〜。
 
是枝イメージと、韓国イメージが逆〜!
 
水と油〜!!
 
ナタでも振りかざして襲ってきそうな韓国キャラクターも、結局は襲ってこない、みたいな。
 
「実は激しくない韓国人」を見せられているような、妙な気持ちになりました。
 
演じている役者さんたちは、主演のソン・ガンホさんを含めて、メインからサブまで、韓国映画やドラマで見た顔が続々〜。
 
メジャーどころが勢揃いで「さすが世界の是枝さん」と思いました。
 
中でも、赤ちゃんのお母さん役を演じたイ・ジウンさんは、韓国ではトップスターらしいのですが。
 
「なるほど、是枝さんが好きそうな、かわいい顔してる。明らかに裕和好み」と思いました。
 
ソン・ガンホさんに関しては、「是枝映画に出てもソン・ガンホはソン・ガンホ」という感じで、他の出演作とイメージは変わらず。
 
大物らしいオーラを持っていました、泉ピン子的な!
 
 


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