「孤狼の血 LEVEL2」★★★☆ [映画日記]
引き継いでます、シリーズ前作の世界観「キッチュな昭和のヤクザ・ワールド」!
しかし、原作小説が持つ重みはなくなりました。
若々しくなってます、もぎたてのフレッシュなヤクザ!
アクションもハチャメチャで楽しくなってる。
トラックで突っ込んだり、日本刀を振り回したり、車を運転しながら撃ち合いしたり。
まるでヤクザ・テーマパークのアトラクション状態〜!
時代設定は昭和から平成になって、「古臭いカルチャー表現」の味わいは弱くなったかな。
前作同様、ヤクザと警察の癒着や駆け引きも描かれていましたが、お飾り程度。
しめ飾り程度です!
細かい部分は見なくていいし、深いことも考えなくていい、分かりやすいバイオレンス・エンターテインメントに仕上がっていました。
主人公で、松坂桃李くん演じる日岡刑事もな〜。
撃たれたり、刺されたり、斬られたりしてるのに全然死なぬ。
不死身警察でした!
そんな日岡刑事と対立する、若手組長の上林がインパクト抜群の悪役で、主人公を食う勢いでした。
上林は、子供時代に虐待されて、精神的に病んでいそうな悪役。
サイコ・ヤクザですよ!
サイコはサイコなのですが、繊細な感じは一切なくて「何でもかんでもいいから、とにかく残虐に殺す」みたいな感じ。
虐待の詳細は不明だし、「残虐な殺し方」の手法も定番だし〜。
雑なサイコでした!
しかし上林は、唯一明確な「絶対悪」という存在で、観客に分かりやすさを提供していたと思います。
上林役を演じているのは鈴木亮平さんなのですが。
亮平さんの演技が、とっても悪くて最高〜。
「今回の亮平さんは、何か賞を受賞するのでは?」…と思うくらい、いい感じに激しくて派手でした。
日岡刑事の弟分的な役は、村上虹郎くんが演じているのですが。
冒頭から、すでに死亡フラグが立ちまくりの虹郎くん!
「アンタ、どうやったって死ぬよね」と思うしかない救済不可能な役すぎて、笑ってしまいました。
案の定、終盤では大ピンチになる虹郎くん。
その場面では、観客と一緒に声援を送りたくなりました「虹郎!虹郎!」と。
レインボー・コールですよ!
虹郎くんてクールな顔だと思っていたのですが、今回のような弟分役を演じると、小動物のような雰囲気になるものですね。
獲物顔ですよ、餌食顔!
「弱肉強食」で例えれば「弱肉」の方!!
主役の松坂桃李くんをはじめ、出演者全員、広島弁が下手なのですが。
そこのところは前作と同じで、面白い味になっています。
オーデションで「広島弁が下手な人」を集めたとしか思えませんでした、とくに斎藤工さんとかは。(←名指し)