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「ドライブ・マイ・カー」★★★☆ [映画日記]

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自動車内の場面が多い、お車映画の決定版〜!
 
ドライな作風ですが、深みたっぷりの心理ドラマが展開。
 
本編時間は約3時間と長いのですが、緊張感が途切れることはなく、監督の力量を感じる作品でした。
 
物語の主人公は、舞台演出家で俳優の家福さんで、西島秀俊さんが演じています。
その奥さん役は、霧島れいかさんが大熱演。
 
わたくしが霧島れいかさんを認識したのは、海外ドラマの日本リメイク版「24」でしたけども。
 
「24」で霧島れいかさんが演じたのはCTU(テロ対策ユニット)の、嫌味な上司役。
 
ツンツン女ですよ!
 
その時の印象は、「この女優さん、めちゃめちゃ棒読みやな。なんたる低血圧演技」でした。
 
ヘタウマなんですよ!
 
西島秀俊さんも、演技の引き出しが1つしかない大根役者さんじゃないですか〜。(←禁句)
 
「そんなダメダメな2人が夫妻役って、大丈夫かな」と思いがちなのですが、これで大正解という奇跡。
 
ミラクル夫婦の誕生じゃーっ!
 
2人とも感情的にならない役なので、なんとなくハマっているのでした。
 
劇中では西島秀俊さん演じる家福さんが、舞台稽古をする場面があるのですが。
セリフに抑揚をつけないという、個性的なお稽古。
 
霧島れいかさんによる台本の朗読も、あえての抑揚なし。
 
棒読み能力が活きている!
 
むしろ、こんなに見事な棒読みは聞いたことない!!…っていう、うま味になっておりました。
 
他のキャラクターもクールで、一見、冷たい人間ドラマが繰り広げられるのですが。
 
普段、わざわざ口に出さない己の体験、見てきた光景、悲劇などを、他人に語るときにドラマが発生するんですよね〜。
 
点火すんの、ガスコンロみたいに!
 
そうやって他人に心を開くことで、関係性がちょっと変わる、他人同士がちょっと繋がる、心をちょっと埋め合う、という繊細なドラマがたまりません。
 
それらのドラマに、家福さんちの自家用車が寄り添う、という感覚。
 
自家用車と共に、喫煙場面も多いんですよね〜。
 
車とタバコ、という、「昭和の男の美学」も感じました。
 
物語を車やタバコという愛用品が彩っているのでした、商品が!
 
自家用車内って、プライベート空間じゃないですか〜。
 
自分の臭みも付きますし!
 
自分の巣穴みたいなもんですよ!!
 
その空間に他人を乗せるとか、運転を任せるとかは、「他人に心を開く」という意味合いを感じさせてくれて、奥深いです。
 
また、普段、わざわざ口に出さない己の行動、性質、性癖も描かれていて、深層心理まで突いてます。
とくに、霧島れいかさんが演じた妻のトラウマがスゴイ。
 
嫁の闇ですよ!
 
この役は、霧島れいかさんの妖艶な見た目にピッタリの役でした。
 
あらゆる心理描写でたたみかけ、最終的には「心の解放」というゴールにまで辿り着いて、「心療内科のカウンセリング終了」という感じでした。
 
西島秀俊さんも、今年50歳ということで、本気を感じる大人の演技を見せてました。
 
尻も出してましたし!(←本気度を測るバロメーター)
 
お騒がせ男優役で、岡田将生くんも出てましたけども。
これまた、30歳を超えた岡田将生くんには転機になりそうな大きな役。
 
岡田将生くんもスゴイな〜と思ったのは、やっぱり目を引く存在感。
ちゃんとオーラが出てました。
 
あとは、尻を出していれば完璧でした。(←本気度を測るバロメーター)
 

 

Drive My Car Original Soundtrack

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  • 発売日: 2021/08/18
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