「ボーはおそれている」★★★ [映画日記]
令和の鬼才アリ・アスターさんが、「ミッドサマー」(2019年)以来に放つ新作スリラーです。
なんと、主演にホアキン・フェニックスを迎えた意欲作となっていますけども。
まずは本編、長いですね。
ほぼ3時間ありますよ、スリラー作品で!
これは、デフォルトでロングバージョン、ディレクターズ・カットですよ!!
「半分くらいカットできないのかな?」と思いましたけども。(←失礼)
ホアキンが演じてくれた場面は、カットしづらい気持ちも分かります。
相変わらず、大熱演のホアキンが最高〜。
今回の役は、アラフィフ童貞、非モテ系!
閉じこもり気味、神経質な性格というエッジの効いたキャラクターですが、難なくこなしていて「さすがフェニックス様」と思いました。
主人公ボーは極度の怖がり屋、という性質もあり、ほぼ全編において怯えています。
ず〜っとブルってんの!
ホアキン演じる孤独な男性ボーが、母の住む実家に帰ろうとするも、あらゆる災難に遭って実現できない、というお話。
災難の内容は、全裸のおじさんが殺人鬼となって追っかけてくる、とか、風呂場の天井から知らないおじさんが降ってくる、とか。
とっぴょうしもないんですよ!
ほとんどのサブ・キャラクターは頭がおかしく、必ずボーを責め上げるという。
悪夢感がすさまじいです。
体がゾワゾワ〜ッとなる、ホラーっぽい場面もチラホラ。
「こういう悪夢あるよね。今晩見たらどうしよう」と思ってしまいました。
3時間という長い本編時間も手伝って、「覚めたいのに覚めない悪夢」感を増長させていたと思います。
この内容のままエレガントに味付けしたら、昔のデヴィッド・リンチ作品みたいになるかも、とも思いました。
本作では「母子の関係性」がテーマとなっているようで、ボーに関わる人物の多くは「母子要素」を含んでいましたね。
「母性の重苦しさ」を表現していたようにも感じましたけども。
深いことを考えずに、悪夢を楽しめる作品だと思います。
脇を固めているのは大スターではなく、顔は知っている程度の人材なのですが。
その顔が、みんな怖いです。(←失礼)
名も知らぬ俳優たちが次々と出てきて、ホアキンを襲い続けるという趣向も面白かったです。
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