「アウトフィット」★★★ [映画日記]
Netflixに転がっていた作品です。
ある日ゴロンと置かれていたんですよ、漬物石みたいに適当に!
「ふ~ん、こんなのあんの。へ~」と思い、何の気なしに再生してみたのですが。
これが小作ながら、とっても良かったです。
1950年代のシカゴに佇む、一軒の仕立て屋を舞台とした物語。
店主である英国人テーラーが、ガラの悪い客をあしらっているうちに、マフィアのイザコザに巻き込まれてしまう、という展開です。
なんと、仕立て屋の店内だけで物語が進むという、ワン・シチュエーション設定。
セット安上がりの映画なんですよ!
スリラー、サスペンスの要素がありつつ、事件の謎が解き明されるというミステリーまで組み込まれていて、これは大変な脚本力ですね。
「衣服」と「マフィア」という意味がある言葉「アウトフィット」をタイトルにしている点もニクいです。
監督・脚本のグレアム・ムーアさんて知らない人だと思ったのですが。
「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」(2014年)でアカデミー賞脚色賞を受賞した人なんですね。
「有名な舞台劇を映画化したのかな」と思うくらいの高クオリティですが、映画オリジナル脚本というのが素晴らしいです。
英国人テーラー役はマーク・ライランスですよ、あの優しそうなおじさま!
まずは「1950年代の英国人男性」という設定にピッタリ。
顔が1950年代ですから!(←ホメ言葉)
そして今回は客の寸法を測ったり、布地を切ったり縫ったり、服飾系おじんとしての魅力爆発。
「こんなおじさまに背広を作ってほしい」と思わせるに十分の人材。
背広男優という感触ですよ!
マーク・ライランスがマフィアに脅されたり、殴られたりする場面では「おじんをいじめないで!」と、かばいたくなりました。
うさぎのようなおじさまですね。
マフィアの若造役を演じた男優を「どこかで見たことがある」と思ったら。
「メイズ・ランナー」シリーズの主演で、かつて大売出しされていたディラン・オブライエンではないかーっ!
あの迷路男優ですよ!!
そんなオブライエンが大人のお味。
知らない間に年齢は30越えてるし!
マーク・ライランスと、1対1の演技合戦を繰り広げていて驚きました。
脚本、配役とも映画ファンに好まれそうな、マニアックな傑作でした。
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