「籠の中の乙女」★★★ [映画日記]
手掛けた新作「哀れなるものたち」の傑作記念でしょうか?!
ヨルゴス・ランティモスさんの過去作品が、amazonプライム・ビデオで絶賛配信中~。
今回再生して観たのは、2009年にギリシャで製作されたヨルさん出世作です。
当時のカンヌ映画祭で「ある視点」賞を受賞したのは、なんとなく分かりますけども。
当時の米アカデミー賞でも、外国語映画賞にノミネートされているのがビックリ。
アメリカでは盛り上がりそうもない、シュールな作品でしたので。
一組の裕福なご家庭をメインに据えたお話。
富裕層だか何だか言う、わたくしには縁遠い層のお話ですよ!
長男と双子の姉妹は、思春期を過ぎているのに、お家に引きこもり。
というか、父母により、生まれた時から軟禁されて生活している、というスゴイ設定で物語がスタート。
さすがヨルさんが書いた脚本ですね、世界観が不条理です。
デタラメな教育と躾を受け、洗脳された状態で生かされている子供たちは、次第に心身を壊していく、というような内容です。
本編ではボカシが入りまくり~。
ちょいちょい、シモネタ入れてくる。
差し込んでくんの!
ヨルさんてシモネタが大好物なんですね、昔も今も!!
パワハラ、セクハラを用いた支配やエゴを、時に暴力的に描いていますけども。
同時にどこかユーモラスで、ブラック・コメディ的な要素を感じる点が特徴でしょうか。
子供たちが秘密のルートで入手し、再生・鑑賞したVHSビデオは、どうやら「ロッキー」らしい、と観客に気付かせるシーンも気が利いています。
あそこの場面は「笑うとこ」だったのでしょう。
もしかしたら、引用作が「ロッキー」だったから、米アカデミーの会員にもウケたのかもしれません。
影の功労者、まさかのスタローンですよ!(←未確認)
そんなこんなで、「価値観がズレている人の人生は、こんなにもバカバカしく(もしくは面白く)見えるのか」と思いながら鑑賞いたしました。
ヨルさん関連作品の印象は、大体みんな同じなんですね。
もはや「あわれなる者」シリーズですね。
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