「ソウルフル・ワールド」★★★ [映画日記]
2020年12月に「Disney+」で配信された、ピクサー製のCGアニメ作品です。
精巧なマンガ映画ですけども!
なんとなく大人仕様です。
「コレ、ちっちゃい子どもが観て理解できるのかな」くらいの精神論が語られていて、ビックリしました。
ピクサー製のかわいいCGでありながら、一部の造形も抽象的。
ピカソ先生とか、岡本太郎先生とかみたいなやつですよ!(←ザックリした例えですが)
モヤモヤした世界をCGで表現しようと試みている、独創的な作風が斬新でした。
物語は、まずは精密に描かれたニューヨークの風景から始まるのですが。
主人公が黒人男性で、中学校の音楽教師ジョー・ガードナー。
彼が、ヘタクソなブラスバンド部を指導する姿から始まる、ということで。
「なるほど、これは音楽映画だね。部員をシゴいてシゴいて、大会で優勝する話だね」と思ったら、そうじゃない。
大ハズレの福引!
中学校の場面は、そこでおしまい。
中坊なんて描かないんですよ、めんどくさいんで青春は!
どうやら、プロのジャズ・ピアニストを目指しているらしいジョー・ガードナー。
「なるほど、ジャズ映画だったんだね。プロのミュージシャンになって一発当てる話だね。儲け話だね」と思った、それでもナーイ!
予想をしては、ことごとく覆される展開。
引いたおみくじ全部が「凶」みたいな状態に!
なんとこの映画は、芸術家やスポーツ選手、その他、あらゆる仕事で「没頭する時間」をトランス状態とし、それを「ファンタジックな精神世界」と設定して、物語の舞台にした作品。
何かに没頭すると精神世界に行ってしまう、という、新種のスピリチュアル・ファンタジー大作だったのでした。
「ソウルフル・ワールド」って、そういう意味なんですよ。
「ソウルフードの展示会」じゃありませんから!
ジョー・ガードナーの場合、ピアノ演奏中に没頭すると、精神世界に行けるようです。
その精神世界で迷子になったジョー・ガードナーが、現実世界に戻って生き直そうとするアドベンチャーが本筋。
一部の場面では、ジョー・ガードナーの相棒が猫ちゃんに。
三毛猫っていうのは良いけれど、デフォルメされた猫の顔は、かわいくなくて残念〜。
かわいくない猫動画でした!
迷える黒人教師が主人公ですが、人種問題だとか、「大人よ、夢を持て」とか、「中学生よ、取り柄を探せ」とか、そういうお説教は抜き。
細かいことをギャーギャー言わない!
「生きればいいじゃん。ユー、生きちゃいなよ」という、「全人間の全肯定」がテーマの、壮大すぎる内容。
まるで、教会のような映画〜!
精神世界では、ジョー・ガードナーを含めて魂化しているので、キャラクター・デザインもシンプル〜。
「丸描いてチョン」的な!
餅キャラですよ!!
これまで、毛の1本1本まで忠実に再現するような精密CGを目指していたピクサーにとって、今回のデザインは転換期となるのでは?!
「ニューノーマル」になるのでしょうか?!(←言ってみたかった)
テーマもしっかりしていて、中身もあるけれど、売れる映画っていう感じはあまりしない。
この映画の企画が、よく通ったな、と思います。
よく企画書にハンコを押してもらえたな、と思いました。(←ハンコ社会?!)
ご無沙汰です。
本作、コロナで劇場公開やめて配信のみにしましたよね。ある意味正解かも? わーいPixarだーと子連れで劇場行ったら、お子様満足度はかなり低かったかも!?
もしくは22番(25でしたっけ?)がキノコみたいで可愛い〜となるか!?
by かえるのエリー (2021-10-18 09:39)
かえるのエリーさん。
たしかに、お子様が観たらドン引きするようなお話でしたね!これを観たときは「他に話のネタなかったの?」と思ってしまいました。そして、おっしゃるように、かわいいキャラや動物などを配し、お子様の気を引く工夫がされていたと思います。作る方も大変ですよね!
by のむら (2021-10-18 13:12)