「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」★★★☆ [映画日記]
ケーブルテレビで放送されていたので、録画して観ましたよ。
「ゲーム・オブ・スローンズ」風の副題が付けられてますけども。
世界的テニスプレーヤー、ビヨン・ボルグとジョン・マッケンローによる、1980年に行われたウィンブルドン決勝戦での名試合を再現しております。
ボルグとマッケンローの性質は正反対、という意味で「氷の男と炎の男」という副題が付いたのだと思いますけども。
同じ意味なら「水の男と油の男」でも通じるわな。
「酢の男と油の男」でも美味しそうだわな、ドレッシングみたいで!
ボルグさんは物静かで神経質。
決まったことを、決まった物を使い、決まった時間にやるのがモットー。
キッチリしてんの経理部みたいに!
ボルグさんは婚約者を抱いているようですが、きっと毎回、決まった抱き方で抱いてなさるのでしょう!!
対するマッケンローは暴言吐きまくりの暴れん坊、というビジュアル対比が面白いです。
一見すると正反対に見える2人ですが、内面には「世界レベルのプレッシャーに苦しんでいる」という共通点が。
敵対しつつも、心のどこかでは理解し合っている、という点に胸が熱くなりました。
「自分のことを分かってくれるのはライバルだけ。アイツだけ」っていうのが、スポーツっぽいです。
「実在した人物の試合もの」というジャンルは、奇抜な脇役や、壮絶な過去のエピソード等を用いてドラマチックに演出されるものですが。
今回の作品には、派手な装飾はございません。
余計なものはそぎ落としてんの、「そぎ落とし肉」みたいに!
「なんだか、北欧映画みたいにクールな映画だな」と思って観ていたのですが。
後から調べてみたら立派な北欧製で納得〜。
ボルグさんて、スウェーデンの人だったんですね。
言われてみれば、名前が「ビヨン」ですから。
「ビョンさま」ですから!
淡々とした作風の中、2人の欠点を紹介していくお話で、中盤までは2人のことを全く好きなれないのですが。
クライマックスの試合場面がめちゃめちゃ白熱。
素晴らしい盛りあがりで、ラストシーンに辿り着くと、観客は2人のことを好きになっている、という仕掛け。
性格が悪かろうが何だろうが、スポーツ選手の精神力はスゴイ、っていうことが伝わる内容でした。
アメリカ製の「試合もの」だと、前半から主人公に感情移入させて、クライマックスの試合で応援モードに入ることが多いので、この「そっけないまま進んで、最後に観客の心を掴んでくるパターン」は新鮮でした。
ボルグ役を演じたのは「蜘蛛の巣を払う女」でミカエル役だったスヴェリル・グドナソンで、マッケンロー役を演じたのはラブちゃん!(←シャイア・ラブーフ)
2人ともテニス場面に違和感なし。
「練習をがんばったんだろうな〜、お盆も、正月も返上して」と思いました。(←部活かい)
成人のボルグさんは大人しいですが、少年時代は野性的。
すぐにキレちゃう、ワイルド・チェリーボーイ!
ある日コーチが「かんしゃくを封じ込めろ。圧力鍋みたいにな!」と指導。
鍋指導ですよ!
「圧力鍋」というワードを聞いてしまい、おなかがすいてしまいました。
「豚の角煮」を連想したのです。