「RUN/ラン」★★★ [映画日記]
劇場公開時に見逃していた作品が、いろんなサブスクで配信されてました。
解禁されたんですよ、渓流釣りみたいに!
異色の演出法で、観客のド肝を抜いたサスペンス作「search/サーチ」のスタッフが再集結。
シンプル設計ながらもアイデアを活かし、さらなるサスペンスの傑作を目指した意欲作になっていますね。
ほとんどの場面が、母と娘による心理劇。
腹を探り合うんですよ、母と娘が!
静香さんとKokiちゃんが、睨み合っているような状態ですよ!!
数々の持病を持ち、車椅子で生活する娘クロエを、母親ダイアンは献身的に世話しているようですが。
ある日、クロエが「あれ?」と疑問を持ちます。
なんか〜、毎日、母に飲まされている薬が、謎の薬なんですけど〜?!…っていう。
謎の薬について調べようにも、娘はスマホを持つことを禁止され、自宅のインターネットも通じないから調べようがない、という状況。
果たして、母親ダイアンは娘クロエに何を飲ませているのか?
娘クロエは、母親ダイアンの腹の内を暴くことができるのか?…っていう、母娘のイヤなサスペンス。
タイトルを「マザー」とかではなく、「RUN」にしたところにセンスを感じます。
自力で立てない娘が、母親の元から逃走したくなるお話ですしね。
物語の半分くらいは自宅内で繰り広げられますけども。
母親が家庭菜園の水やりをしている隙に、娘が固定電話で調べ物をしたりして。
自宅内だけでも、かなりヒヤヒヤさせられました。
確かに、「自宅にて、母親の目を盗んで何かする」って、まあまあ大変ですもんね。
自宅に母ちゃんがいるだけでサスペンスなんですよ!
母親のうっとおしい部分を、よく拾っている脚本でした。
娘クロエ役を演じている新人女優は、今作が映画初出演とのことですが、なかなかの熱演ぶりでした。
母親ダイアン役を演じているのはサラポン!(←サラ・ポールソンです、ポン酢をかけたサラダじゃありません)
近年のサラポンは、ホラー色を打ち出した作品に多く出演していて、ホラー臭い女優として人気ですけども。
今作でも「腹に一物ありそうな、ちょっと怖い女性像」を、なんとも自然に表現されています。
妙に目がキラキラしているのが特徴なんですよね、浅丘ルリ子さんみたいに!
純粋な瞳を持っているからこそ、逆に怖さも表現できるのかもしれません。
母親ダイアンは、自前のお薬を駆使して娘クロエを翻弄していますけども。
その他、自前の注射が大活躍〜。
何かあれば、誰にでも注射をブスッ!
針を刺してくるよ、クマバチみたいに!!
鑑賞中は、「あなた、何本持ってんの注射」と、何度かつぶやいてしまいました。
注射の中に入れてる液体も怖かったです、真っ黒で!
「醤油でも打つ気か?!」…と思ってしまいました。
注射を構えると様になりすぎるサラポン。
「注射女優」と言ってもいいでしょう。
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