「神々の山嶺」★★★ [映画日記]
ジャンルは「登山」という山映画!
しかもアニメ作品ですよ、山マンガ!!
原作は夢枕獏さんの小説で、漫画化は谷口ジローさんが担当していますけども。
今回のアニメ映画は、「製作国フランス」なんですよね〜。
外国製ですよ、輸入品!
制作も全部フランスで、主なスタッフもフランス人、という。
なんでフランス?!…という気持ちになりましたけども。
原作小説や漫画はフランスでも出版されていて、現地では人気があるらしいです。
今回、サブスクで再生して鑑賞いたしましたけども。
物語の舞台は日本が多いし、主要な登場キャラクターは日本人。
背景に映り込む看板や、人物のファッションも、とっても日本臭い。
パッと見、完全、日本製〜!
どういうことじゃ、これは〜。
本当にフランス人が作ったんか〜?!
居酒屋での飲酒シーンや、屋台のラーメンなど食文化も、日本人が演出したみたいに、日本っぽいです。
居酒屋の壁に貼ってあるメニューには「エイのヒレ」って書いてありましたし。
普通、フランス人が書きますでしょうか「エイのヒレ」なんて!
まずは、フランス人スタッフの「日本かぶれ」っぷりが圧巻でした。
表現に「西洋人っぽさ」を感じたのは、日本人の顔デザインですね。
み〜んなブサイク、顔色・茶色!
なるほど、フランスのみなさんには、ワシら日本人の顔は、こんな感じに見えてるわけね。
男性キャラクターは、み〜んな木村祐一さんみたいな感じでした。(←木村さんに失礼)
近年の日本製アニメは、光や色のグラデーションを多用したキラキラ感がある「映え重視」のビジュアル傾向にありますけども。
今作の制作コンセプトは「映え」ではないから、とっても渋い。
ひたすら硬いです、おっさんしか出てこないし!
こんな地味なアニメ映画も珍しいです。
フランス製作陣に言いたいです「売れそうもないのに、作ってくれてありがとう」と。
物語は、一匹狼のクライマー羽生丈二が、エベレストの南西壁・冬期無酸素単独登頂を目指す、というもの。
サブ・ストーリーとして、伝説の登山家が残したカメラのフィルムから、ある謎を明かそうとする、ちょっとしたミステリー・ロマンもございます。
「登山もの」映画の中に、どんなふうにドラマ性を盛り込むか、って難しいと思うのですが。
危機に追い込まれたときの選択シーンや、過去の失敗を乗り越えようとする姿に、深い人間味。
さすが、上手にドラマ性が組み込まれていました。
そして「登山もの」と言えば、なんといっても「どうして登山家は、危険な山に、命をかけてわざわざ登るのか」っていう疑問ですよね〜。
「山に登りたい理由なんて、わからない」いう作品テーマが、最大の魅力になっていると思います。
モヤモヤ感ですよ!
シンプルなようで難解なテーマが、フランス人に響いたのかな〜、と思いました。
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