「マ・レイニーのブラックボトム」★★★ [映画日記]
主人公は、実在したブルース・シンガー、マ・レイニーさん。
名前の「マ」って何?
イ・ビョンホンの「イ」みたいなこと?
マ・レイニーの「マ」って「ママ」の略称らしいです。
「母ちゃん」のことを、あえて「母べえ」と呼ぶみたいなもんですよ!(←ちょっと違いますか)
マ・レイニーさんて、ブルースというジャンルを生み出した人とされているようです。
劇中でも「ブルースの母」と呼ばれてました。
日本で言えば淡谷のり子先生みたいなもんですな!(←それはブルースの女王ですが)
時代は1927年、シカゴのスタジオで、マ・レイニーとバックバンドによる新曲の録音風景が描かれた作品。
ほとんどの舞台はスタジオと控室だけで、「まるで舞台でも観てるみたいだな、小劇場の」と思ったら。
原作は戯曲なんですね、納得です。
内容は、黒人たちのワビとサビがギッシリ。
サビが効きすぎて、お鼻にツーン!(←お寿司かい)
時代、場所、ファッション、ブルース、バンド演奏、会話、全てが粋〜。
黒人たちの顔も輝いていてステキです。
この映画は、黒人マニアにはたまらないと思います、鈴木雅之さんとか!
見た目がスタイリッシュなだけではございません。
ノリのよい会話劇は、やがて社会性を帯びた心理劇に発展し、意外な結末へ。
黒人の深みも十分でした。
マ・レイニー役のヴィオラ・デイヴィスによる歌唱シーンが(口パクだけど)圧巻〜。
ヴィオラ・デイヴィスに歌のイメージなんて無かったから、新鮮でした。
ビジュアルはメイクが小汚く、金歯を入れてるところが最高〜。
パッと見は「女・鶴瓶」という感じ〜!
また、マ・レイニーは実力派だけど気分屋で怖い、という設定。
わがままな歌姫なんですよ、マライア・キャリ子ちゃんみたいな!
ヴィオラ・デイヴィスの「演技の引き出し」の1つ「おっかねぇ女の演技」が大炸裂していて最高〜。
白人プロデューサーに「あたしゃね、コーラを飲まないと歌わないよ。とっととコーラを買ってきな!」みたいな感じですよ。
ふるまわれたコーラは、一気飲みするヴィオラ・デイヴィス。
まるで、コント赤信号の渡辺さんの芸でした!(←古いですか)
そして。
ヴィオラ・デイヴィスとW主演という位置づけになっているのが、バンドでトランペットを担当しているレヴィー役、チャドウィック・ボーズマンなんですね。
なんと、今作はチャドウィック・ボーズマンの遺作になっています。
なんとなく、亡くなったから編集で出番を増やし、W主演扱いにした感じもしますが、まあいいです。
アメコミ・ヒーロー「ブラックパンサー」役でのチャドウィック・ボーズマンとは全くの別人でビックリ。
これはもう、別なパンサーですよ!
昔の野心的な青年、という、チャラ味や攻撃性のある不良感が素晴らしい〜。
田代ま●しみたいな空気感ですよ!(←ホメ言葉)
そして、チャドウィック・ボーズマンは、ものすごく痩せています。
撮影時には、もう病気も進んでいたのでしょうね。
そんな状態での入魂の演技に魅せられました。
あのヴィオラ・デイヴィスを食う勢いで、たいしたもん。
惜しい人を亡くしました。
またもや爆笑のレビュー(笑)
靴へのこだわりといえば、本作か「ジョジョラビット」か(←適当発言)
by かえるのエリー (2021-05-28 12:42)
かえるのエリーさん。
楽しんでいただけていれば幸いです(ペコリ)。なるほど〜、確かに「ジョジョラビット」と共に「靴映画」としても一面もありますね〜。
by のむら (2021-05-28 14:51)