「さらば愛しきアウトロー」★★★ [映画日記]
2018年の旧作です。
製作・主演のロバート・レッドフォードが、今作を「俳優引退作」に選んだ気持ちも分かる気がする〜。
簡単に言うと、年寄りがいっぱい出てくる老人映画なのですが。
誰もホームに入ってない。
紙おむつも穿いてないし、ポリデントで入れ歯を洗う場面も一切ナーイ!
老人たちの佇まいがクールでスタイリッシュなんですよね〜。
臭くないんですよ!
レッドフォードは「見た目がキレイなまま引退したい」という気持ちだったのかもしれません。
歩き姿はヨボってましたけども!
動くと年齢が出てきますね、老人は〜。
作品ジャンルは「犯罪ドラマ」。
おじいちゃん3人組が、銀行強盗をするお話ですよ「ジーサンズ」みたいに!
レッドフォード世代が持つ、強盗ロマンが炸裂。
「銀行強盗ってカッコいいべな〜。パトカーに追われても、車で逃げ切ってみたいべよ〜」みたいな場面が具現化されています。
なぜか、ロマンスまでございます。
独身で独居、デカい屋敷に住む美婆が登場〜!
レッドフォードと偶然出会ったわい、都合よく!!
美婆役はシシー・スペイセクが演じているのですが、堂々たるマドンナぶり。
「私は話していて楽しい女。だけど簡単には抱かれない。許せるのは、そう、くちびるだけよ」みたいな、バブル女みたいな素振りが様になっていてビックリ。
レッドフォードの最後の相手役として、ふさわしい人材でした。
そんなレッドフォードが演じるフォレスト・タッカーという人物は、実在した犯罪者。
拳銃を所持しているものの発泡することはなく、スーツ姿で颯爽とカネを持ち逃げる、という犯罪スタイルの持ち主ですよ。
10代の頃から犯罪に身を染め、少年院や刑務所暮らしも長かった、というお方で、中身は「はみ出し者」という感じなのですが。
今回、レッドフォードの演技では、そんな人物像を「反骨精神」と解釈。
誰からも束縛されない自由な人生を表現しつつ、作風はしっとりとしていて、エレガントなんですよね〜。
ぎっしり詰まってんの、じいさんの美学!
「レッドフォードの老後イメージはこれだ」という感じで、うまいことまとめ上げておりました。
ホント、遺作にピッタンコ〜!(←失礼)
監督・脚本は「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」のデヴィッド・ロウリーさんですよ。
大御所の男優なら、もっとベタな大物監督に引退作を演出させそうだけどもオリバー・ストーンとか。
リチャード・ドナーとか!(←90歳超えてるから無理か〜)
デヴィッド・ロウリーさんみたいな個性派に引退作を任せるなんて、レッドフォードってセンスがあると思いました。
出演者も豪華で、フォレスト・タッカーの強盗仲間役がダニー・グローヴァーとトム・ウェイツ。
強盗を追う刑事役はケイシー・アフレックなのですが、今回のケイシーはレッドフォードの受け身役なので、あんまり目立ってなかったな。
ワンシーンだけ、エリザベス・モスが出てきましたけども、長セリフ。
表情をコロコロ変え、やや大袈裟に芝居をしていて、まるで「オーディションでの即興演技」みたいでした。
ものっすごくチョイ役で、セリフも1つか2つの役で、「TENET テネット」男優のジョン・デヴィッド・ワシントンも出たーっ。
製作された2018年頃は、まだ端役でがんばっていたんですね〜。
今はブレイクした「TENET テネット」男優。
世代交代を感じる作品でもありました。
スペイセク可愛かったですね。キャリーのあの人がねえ。以前フランシス・マクドーマンドが「女優が美に固執したら老け役は全部私のものね」と言っていましたけど、正論かも。
レッドフォードとケイシーばっかり見ていたので、ウェイツとクローヴァーの記憶があんまりないかも。
男性ってどこかで非カタギにあこがれるのかな?
by sakaya (2021-03-04 10:56)
sakayaさん。
観たんですか!とにくレッドフォードの世代には、「映画スターといえば不良役」みたいなイメージがあるのかな、「鉄砲持ちたい」みたいな。シシー・スペイセクが髪型も服装もステキで、トータル的に「美人」としてまとまっていて、「女優ってスゴイな〜」と思いました。
by のむら (2021-03-04 15:46)