「永遠の門 ゴッホの見た未来」★★★

画家フィンセント・ファン・ゴッホの日常と死を、独自の解釈で描いた伝記作品ですけども。

ゴッホさんがお気の毒すぎる〜！

なんともご立派な不幸ムービーでした！！

せっせと描く絵が評価されないまま、細々と生活しているゴッホさん。

貧乏ヒマなし！

しかもゴッホさんは、周囲の人々からイジメられてるんですよね〜、大人から子どもまで幅広く！

小学生くらいの子どもなんて、ゴッホさんに石を投げてましたから「やーい、やーい」と！！

そのうち、精神病の治療施設に入ったゴッホさん。

マッツ・ミケルセン演じる牧師に「アンタの絵は不愉快。こんな絵はダメ」と言われてる始末。

ああマッツ、見る目が無いのはアンタの方！

ああマッツ、その絵は今、おいくら万円するのかご存知か？

家が買えんだよマッツ！…と思いました。

世に天才がつぶされた、みたいな構図。

個性が毛嫌いされる古い感覚と、理解力のない未成熟な民への批判を感じる内容でした。

ゴッホさん本人も「生まれてきた時代を間違えた」と言ってましたが、本当にその通りだと思いました。

現代ならば、インターネットを使って、いくらでも絵を見てもらえて、多様化も進み、個性的な人が受け入れられる時代ですしね。

才能があるのにツイてナーイ！

見たことないです、こんな残念な人！！

きっと本当のゴッホさんは、もうちょっと、とっつきにくい人だったと思うのですが。

そういう角が立った場面はほとんどありませんでした。

トゲトゲしていないんですよ！

純粋に絵が好きなおじさん、としてのゴッホ像で、彼に対する優しさと同情を感じるキャラクター設定でした。

ゴッホ役を演じたのはウィレム・デフォーですけども。

実際のゴッホさんの年齢は37歳で、ウィレム・デフォーは60代。

えっらく老け込んだゴッホになりましたけども。

きっと「老けて見える人」という設定なのでしょう、苦労してっから！

時々デフォーが、本当にゴッホさんに見えることがあって、その点は、さすがの演技力という感じでした。

気になりませんでしたしね、シャクレたアゴも！

ゴッホさんには心が通じている弟さんがいたんですね。

弟役を演じていたのは、キーラ・ナイトレイの元カレとしても有名なルパート・フレンドだったと知ってビックリ。

化けたもんだわな、あの子も！

監督は、画家ジュリアン・シュナーベルということで。

全体的にゆったりとした眠くなる作風なのですが。

まるで映画版・子守歌！

しかし美意識はものすごいです。

主な舞台であるアルルの風景など、空の青から、木々の緑まで、色彩がゴッホの絵画風で美しい〜。

絵画の制作風景も、姿勢や筆使い、息使いまでディティールがしっかりしていて説得力が満点。

どういうふうに絵具を塗っていたり、キャンバス上に盛っているかなどの説明もありました。

また、有名絵画のモデルが誰だったか、などの小ネタもたっぷり。

ぬかりなかったです、マニア向けの仕込みも！ 

At Eternity's Gate [Blu-ray]

• 出版社/メーカー: Lions Gate
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コメント 11

ゴッホが日本に憧れているシーンはあったのですか?
by サンフランシスコ人 (2019-11-16 02:39) 

上野のゴッホ展とあわせて観ようと思っていたんですが…
眠いんですね！？やめておこうかなぁ。

by M (2019-11-16 19:21) 

サンフランシスコ人さん。
ゴッホが日本に憧れている場面、ありましたよ！セリフの中に「日本」という言葉が出てきてうれしかったですよ〜。

Mさん。
ゴッホ展と合わせての鑑賞、とっても良いと思います！まずゴッホ展で絵を見て、その後に制作の裏話を映画で観るなら、きっと面白くて眠くならいと思いますよ。ええきっと！
by のむら (2019-11-16 19:34) 

サウスカロライナ州でゴッホ展を開催中....

http://www.columbiamuseum.org/view/van-gogh-and-his-inspirations

このゴッホ展とあわせて....

http://www.columbiamuseum.org/events/ikebana-display-and-demonstration

Ikebana Display and Demonstration
Sunday
January 12, 2020
10:00 am-5:00 pm
by サンフランシスコ人 (2019-11-17 06:32) 

サンフランシスコ人さん。
サウスカロライナ州でもゴッホ展をやっているんですね！映画と合わせての鑑賞は、わかりやすくて良いと思います。お楽しみくださいませ！
by のむら (2019-11-17 14:03) 

シュナーベル監督 前作の｢潜水服は蝶の夢を見る｣も芸術性は絶賛されましたが、ちょっと退屈でしたねぇ。抽象画家らしくハナから一般受けは狙ってないのでしょうね。2001年あの複合テロの直前の夏、ウォーケンさんの舞台をファンクラブの仲間たちと鑑賞した後、開かれたレセプションでウォーケンさんと現れたのがこのシュナーベルさんでした。天然パーマの髭もじゃ大柄ででっぷり太ったオッサンでチェックのシャツにパレオ姿で現れ、最初何でエジプトの絨毯売りが来たんだ！と思いました。丁度｢潜水夫服～｣が日本で公開される直前で、日本のメディアから取材を受けた(インタビュアーの女性が友人だったので又驚いた)直後でしばし、たけし、の話で盛り上がりました。私は三池崇史監督の事だったんですがー(ウォーケンと仕事したいと言ってた)帰国してから国立美術館でシュナーベルの絵をみたが、やっぱり難解だった(笑)
by ちびまま (2019-11-22 09:06) 

ちびままさん。
シュナーベルと会った思い出、ステキですね！まずは、ウォーケンのファンの集いがあった、というところが微笑ましいです。シュナーベルは、エジプトの絨毯売りみたいな感じでしたか〜おもしろいです。今回の作品もそうですが、彼の監督作はだいたい、アカデミー賞を含む多くの賞レースに食い込んでいますね。芸術性があるから審査員受けが良いのでしょうね〜。
by のむら (2019-11-22 23:16) 

あ、｢潜水服～｣の日本公開は2007年なのでインタは｢夜が来る前に｣ですね。お詫びして訂正します。｢夜が～｣も劇場で見ましたが、退屈認定映画でした。汗
シュナーベルさんは面倒見がよい人で有名？で、再婚した後も前の奥様や子供達と一緒に住んで経済的にもしっかり援助してると聞きましたが、この夜も歳上なのに世間ずれしてない(笑)ウォーケンさんをを気遣って何かと世話をやき、会話の手助けをしたりしてて、身体もハートもビッグな人だなぁ、と思いました。新作の話をして｢君に今スクープをあげたんだよ｣と彼が私に言った時、ウォーケンさんがボソッと｢猫のスクープ(トイレの後の砂掻き)かも｣と言ったのが可笑しかったです。
by ちびまま (2019-11-23 09:58) 

ちびままさん。
シュナーベルって、世話焼きな感じなんですね。あんなアーティストだから、堅苦しい感じの人かと思ってました。ちびままさんとの交流場面もステキですね。これは良い思い出になりましたね〜。
by のむら (2019-11-23 17:40) 

天気も悪い、コロナも大統領選も大変だなと思いつつ、この映画クリックしてしまいました。
面白かったです…けど眠かった。新旧強面？マッツとの顔面対決、ダメ出ししちゃうんだねマッツって思いました。のびのびしたシーンは楽しかったです。
まぁ現代もロクでもないですけどね。ネットで袋叩きにあったり亡くなった後に猛ラブコール送られたりね。
謹慎中の方には謹慎明けに大勝ちしていただきたい、棒読みの方には存在感の活きる作品で活躍していただきたいと思っています。
by sakaya (2020-10-23 13:07) 

sakayaさん。
見事なコメントをありがとうございます！なるほど、コロナの時代も、ゴッホの時代も、根本的な世の姿は変わらないのかもしれませんね。しかし、天気の悪い日に今作を観ると、相当眠くなったのではないでしょうか〜。バカバカしい映画でも観て、パーッと気晴らしをしてほしいな。
by のむら (2020-10-23 16:05)