「ワンダーストラック」★★★ [映画日記]
原作は「ヒューゴの不思議な発明」を書いた人と同じらしいです。
不思議シリーズですよ!
お子さまが主人公で、児童文学の風味が漂う作品なのですが。
お子さまが出ていながらも、印象はクールです。
「お子さまアートムービー」という感触が新鮮~。
お子さま芸術ですよ!
「お子さま客に観てもらおう」とか、そういうディズニー調のもてなし感が無いところが良いです。
ごますりは一切ナーイ!
大人がたしなむ「お子さま味」なんですよね~。
OLが食べるビスコみたいなもん!(←ちょっと違いますか)
1970年代に生きる男児ベンと、1920年代に生きる女児ローズ、それぞれの物語が交互につづられるという構成。
監督のトッド・ヘインズは時代感を出すのがホントにお上手~。
ものすご〜く古臭ぇ!(←ホメ言葉)
とくに1920年代はモノクロのサイレントムービー形態で、めちゃめちゃステキです。
1920年代の部分だけ取り出して、1本の映画にしてほしいくらい。
音楽の付け方も申し分なく、観ながらうっとりしたわい、トロ~ンですよヨダレ寸前!
博物館に展示してある、動物の剥製すらも、モノクロだとカッコよく見えるものですね。
1970年代のニューヨークが舞台の場面も、これまた、なかなか素晴らしいです。
1920年代に負けない古臭さ。
もはや古臭さの競い合いですよ、古臭さウォーズ!
大量のエキストラが、1970年代のファッションに身を包んで、街をブラブラしている場面が圧巻。
あれはブラブラ名場面!
一瞬しか映らないエキストラも1970年代の生活感をかもしだしていて、演技がバッチリ。
グッジョブ、エキストラ!
安くて上手いよ、エキストラ!!
ベンも女児も、ほとんどの場面で耳が聴こえないという設定で、親とは断絶状態。
孤独感がスゴイです。
きっとテーマは「お子さまが抱いている孤独感」なのでしょう。
邦題は「お子さまロンリネス」でいいかもよ!
ベンが出会う黒人少年が、いろいろ世話をしてくれる良い子。
ベンと黒人少年がケンカする場面では、心が痛くなりました。
よくよく考えてみてら、ケンカの原因も「黒人少年の孤独」なんですよね~。
みんな、ひとりぼっちなんですよ、キアヌ・リーヴスも誰でも!
ジュリアン・ムーアが重要な役で出ているのですが。
最後の方で、ジュリアン・ムーアが短時間でメモ用紙に長文を書ききっていてビックリ。
まるで日本速記協会の人〜!
物語も感動も予定調和で、涙も出ないところが残念といえば残念ですが、フンイキのある空気感は最高。
トッド・ヘインズが持つワビサビを満喫〜。
この作品はヒットしないほうがよい。
「隠れた名作」として大事に取っておきたい気持ちです、へそくりみたいに。
お、トッドヘインズ。好きですよー。
うるっとさせてほしい気はしますけど興味ありますー。お子様にゴマすらないっていいですね。最近の映画ゴマすりすぎですよね。
by sakaya (2018-04-17 01:15)
あの黒人の子、途中の扱いが気の毒で
逆転があったよかったです。うまくまとまって。
ローズのお兄ちゃんがまともな人でよかったです。
割と大人がひどい人多かったし。
by stonkovic (2018-04-17 12:56)
sakayaさん。
トッドヘインズは、きっと「感動させる」というよりは、フンイキに酔わせるタイプの監督なんでしょうね。今回の作品は、お子さま客が見ても全く反応しなさそうな、クールな作品でしたよ。
stonkovicさん。
黒人少年。また人の良さそうな顔をしてるんですよね〜。僕も、あの子の途中の扱いは気の毒でした。ローズのお兄ちゃんは、一見こわそうに見えて、実は良い人でしたね。しかしまた、年の離れた兄妹で。いろんな事情があって生まれた妹、ってことなのかな、お母さんはアレだったし〜。
by のむら (2018-04-17 23:24)
のむらさん。
私も観ました。
ローズのお父さん怖いですね。よく逃げられました。
閉じ込められた楽屋からの脱走もお見事でした。
ベン、お財布取られたけどお金だけ取られて
無事財布が戻ってきて良かったです。
最後に色んな事がわかって、そ~なんだって納得できて
観終われて良かったです。
あのデビットボウイの曲 好き。
by 内幸町 (2018-04-19 22:00)
内幸町さん。
ローズのお父さんもお母さんも、娘には見事な塩対応でしたね。ベンが大金を所持している場面を見て「そのうち絶対に盗まれる」と思っていたら案の定でした。都会であんな大金を持ち歩いていたらダメですよね〜。音楽使いも流石でしたね。
by のむら (2018-04-20 00:14)