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「ナイトメア・アリー」★★★ [映画日記]

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ギレルモ・デル・トロ監督が、お水映画「シェイプ・オブ・ウォーター」の次に手がけた作品です。
 
怪物が大好きな監督ですし、「今度は、どんなオバケが出るのかな〜?」なんて思って観ていたのですが。
 
オバケ待ちですよ!
 
なんと、オバケらしいオバケは出てこない。
 
オバケっぽい顔の人は出てきますけどもウィレム・デフォーとか。(←失礼)
 
ギレルモさんにしては珍しい、まさかのマジメ映画でした!
 
物語は、1939年のカーニバル会場からスタート。
謎めいた男性スタンが、インチキ占い師の弟子として働きはじめ、やがて1人のインチキ芸人として独り立ちするが…、というような展開。
 
インチキ物語なんですよ!
 
「だまし商売」「見せもの商売」という題材で人間の闇をあぶりだしつつ、道徳的なネタでまとめる、という、優等生な脚本になっていました。
 
カーニバル会場内の非現実感、見せもの小屋のいかがわしさ等、劇画調の表現に引き込まれました。
たま〜に、怪物っぽいアイテムが出てくるところがギレルモさん風。
 
怪物っぽい男性ロン・パールマンも出たーっ!(←失礼)
 
ビジュアル重視でありながらも、流れるような語り口で、演出力を感じます。
「ギレルモさんも巨匠になったな〜」と思いながら観ていました。
 
心理カウンセラーの博士役でケイト・ブランシェットが出てきてからは、サイコ・サスペンス色が濃厚に。
ブランシェット様が妖艶すぎて、存在感が圧巻。
 
こんな妖艶な先生、いるの?!…っていうくらい妖しい女狐ドクター!
 
画面の隅っこにいても、「何、あの人?!」と、ついつい目が行ってしまいました。(←不審者かい)
 
ブランシェット様は、この映画の中で最もオーラを出していました。
 
主人公スタン役ブラッドリー・クーパーはアラフィフですが、まだ美貌は健在。
昔の銀幕スターみたいな雰囲気を出して、がんばっていました。
 
劇中では、ケイト・ブランシェットやトニ・コレットの色香によろめくブラッドリー。
 
アラフィフがアラフィフを抱きたがんの!
 
今回のブラッドリーは、年上の女性が放っておかない、年下の坊や感が見事でした、アラフィフですが!!
 
主人公スタン役は、元々レオナルド・ディカプリオにオファーが行ったようですが、ディカプリオ版も見てみたかったかも〜。
 
ブラッドリー・クーパーの演技は薄味ですが、ディカプリオだと濃厚に仕上げてきそう〜、藤原竜也さんみたいに!
 
スタンの恋人役は、「世界の抱かれ役」ことルーニー・マーラがご担当。
 
一瞬だけ、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが並んで映る場面があるのですが。
 
「これ、キャロルの2人じゃねぇか〜!元カノと元カノの再会か〜っ?!」と思って、懐かしくなりました。
 
その他、デヴィッド・ストラザーンとかアカデミー賞級の役者さんが集まって、豪華キャストが実現しているのですが。
その面子の中で、トニ・コレットやロン・パールマンがB級の輝きを放ちます。
 
眩しいんですよ、B級の輝きが!
 
A級スターの中に、わずかにB級スターを加えるサジ加減。
 
堅苦しさを払拭しています、小さじ一杯のB級スターが!
 
マジメ映画ですが、配役でB級テイストを入れてくるところも、ギレルモさんっぽかったです。
 
 
The Art and Making of Guillermo del Toro's Nightmare Alley: The Rise and Fall of Stanton Carlisle

The Art and Making of Guillermo del Toro's Nightmare Alley: The Rise and Fall of Stanton Carlisle

  • 作者: McIntyre, Gina
  • 出版社/メーカー: Titan Books Ltd
  • 発売日: 2021/12/17
  • メディア: ハードカバー

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