「ベルファスト」★★★☆ [映画日記]
エンタメ界の重鎮、ケネス・ブラナー監督による半自伝的な作品です。
物語の時代は1969年、舞台は北アイルランドのベルファストで、主人公は幼少時の自分ですよ。
己が主役!
ほとんどがモノクロ映像で、ノスタルジックな街並みの中を、主人公の男児バディがウロチョロ、ウロチョロ。
チョロチョロすんの!
頭も性格も抜群、そしてお人好し、という、とっても良い子として描かれてました。
脚本も書いたケネス・ブラナーの「俺って昔は可愛いかった」という謎アピールでした!
昔の男児が思いっきり笑ったり、泣いたり。
それだけで十分な名画臭が出るもんですね。
簡単に例えるなら「ニュー・シネマ・パラダイス」みたいな臭みですよ!(←死語)
子役の威力を感じました。
当時のベルファストは地域紛争の真っ只中。
暴徒による破壊行為などで、生活に支障をきたす場面もあって大変そう。
そんな中で、助け合って生きる男児バディと父母、そして祖父母たちとの交流がキラキラ。
たくましさや生命力、家族の結束力が、生活感と共に丁寧に、そして劇的に綴られていました。
劇中での場所は西洋ですが、昭和を駆け抜けてきた日本の民も、この家族ドラマには共感できると思います。
劇中では、苦労や恐怖ばかりの生活の中に、テレビドラマ、映画、音楽、ダンスなどのエンターテインメントが色を添えてました。
さし色ですよ!
家族全員がエンターテインメントが好きで、鑑賞にお金を惜しみなく使っていることも伺えました。
娯楽一家なんですよ!
それらのエンタメ体験が、全て男児の思い出や肥やしになっているという、粋なエンタメ論。
ケネス・ブラナー本人が好きなジャンルなど、彼のルーツを探ることも可能でした。
父役は「フィフティ・シェイズ」シリーズでブレイクしたジェイミー・ドーナン。
母役は、セクシードラマ「アウトランダー」のカトリーナ・バルフということで。
父母がステキすぎる〜。
よそんちの父母でも、こんなステキな夫婦は見たことナーイ!
ひと組も見たことナーイ!!(←今まで見てきた夫妻に失礼)
これは、例えるなら「反町隆史&松嶋菜々子」夫妻みたいなもんでしょうか。
男児バディにとって、父母は憧れでもある存在だったのでしょうね。
今、この夫妻が存在していたら、その「映えパワー」を活かして、インスタで稼げる夫妻になっていたことでしょう。
前から思ってましたけども、ジェイミー・ドーナンの面構えは「歴史もの」と相性バッチリ。
顔のどこかが古臭いんですよ!
カトリーナ・バルフが演じる母は、ミニスカが似合うミニスカ主婦。
「ベルファストの森高千里」と言っていいほどの美脚!
そういえば、昭和のお母さんって、割とミニスカートを穿いていたと思う〜。
父母には、歌ったり踊ったりする場面もあるのですが、ジェイミー・ドーナンもカトリーナ・バルフも、そういうのは苦手なんですよね〜。
2人は歌も踊りも上手ではありませんでしたけど、「ヘタウマ」と思えば味がありました。
ジェイミー・ドーナンと、祖父役キアラン・ハインズは、ご本人もベルファスト出身なのだそう。
故郷が同じの監督、出演者がそろって、地元に錦を飾る作品に。
地元を潤す、ふるさと納税みたいな映画になってました!
祖母役はジュディ・デンチなのですが。
祖父役よりも、約20歳も年上なんですけど〜。
70過ぎた爺さん婆さんは、みんな見た目は年齢不詳だから、まーいいか〜。(←コラーッ)