「ゴヤの名画と優しい泥棒」★★★ [映画日記]
今回のヘレ美は家政婦役!(←ヘレン・ミレン)
金持ち宅の暖炉をゴシゴシお掃除する、ボロ着のヘレ美。
あのヘレ美が、灰をかぶるんですよ!
そんなヘレ美の演技が様になっていて、「さすがプロ」と思いました。
「ワンダとダイヤと優しい奴ら」みたいな邦題が付いてますが、ワンダとは無関係。
1961年のロンドンで起こった名画盗難事件を描いた、実話ベースの作品です。
ヘレ美の息子役が、「ダンケルク」で主演していた若手男優のナントカって子なのですが。(←フィオン・ホワイトヘッド)
どうしても名前が覚えられない男優さんですけども。
「ダンケルク」が代表作の「ダンケ男子」さんですけども!
実年齢76歳のヘレ美の息子にしては若すぎる〜。
祖母と孫くらいの年齢差ですよ!
どうやら、今回のヘレ美の役は50代くらいの設定と思われます。
ヘレ美も「ダンケ男子」も、実は脇役。
主人公はヘレ美の夫役で、名画を盗んだ人物役のジム・ブロードベントなんですね〜。
これは、まあまあ地味な配役ですね〜。
その他の共演者としては、いろんな映画にちょいちょい出ている使い勝手の良い英国男優マシュー・グッドなど。
英国の「使いやす子」ですよ!
彼らが紡ぐ、昔ながらのクライム人情ドラマは、ユーモアを交えていて牧歌的。
なんだか童話みたいで、優しい作りになっています。
現在のドス黒いSNS社会では絶対にありえない、スイートな展開にビックリ。
昭和っていいな、と思いました、wi-fiが存在しないのは不便だけども!
犯人が名画を盗んだ理由は「老人のために、公共放送BBCの受信料を無料にしたいから。名画の保険料でまかなえる」的なもの。
犯人は悪意がなく、権力や社会に対して物申したいんですよね。
発言したり、行動の自由を訴えることは正しい、と思わせてくれるテーマが良かったです。
今作の製作者が、犯人役モデルのお孫さん、ということもあるからでしょう。
犯人のピュアな部分が前面に押し出された物語になっているのですが。
「天然おじん」みたいな扱いですよ!
この犯人は、実際にそばに居たら、かなり変なおじさんで、付き合いきれないな、と思いました。
協調性がなく、職は度々クビになってるし、生活がめちゃめちゃ不安定〜。
社会や政治に対して不満があるから、愚痴も多いし。
ヘレ美演じる妻が、よく我慢してついてきてる(抱かれている)、と思いました。
監督は「ノッティングヒルの恋人」などの英国系作品を手掛けてきたロジャー・ミッシェルさんなのですが。
なんとこの作品は、ロジャー・ミッシェルさんの長編映画での遺作になりました。
2021年に、65歳で亡くなったんですね。
ヘレ美の実年齢が76歳で、ジム・ブロードベントが72歳だと考えると、まだまだ活躍できたのにねぇ。