「薄氷の殺人」★★★ [映画日記]
2020年のお気に入り映画が、スタイリッシュな中国映画「鵞鳥湖の夜」ですけども。
「鵞鳥湖の夜」ですよ、「鵞鳥湖の夜」。
「霧の摩周湖」じゃありませんから!
今回、amazonプライム・ビデオで再生した作品は、「鵞鳥湖の夜」を手がけたディアオ・イーナン監督の旧作。
中国北部を舞台に、元・刑事が、未解決の連続バラバラ殺人事件の謎を追うという、サイコ・サスペンスですよ。
犯罪ミステリーとしては難易度が低め。
ストーリーよりは、「鵞鳥湖の夜」と同じく、廃頽的な中国の世界観で酔わせるという、映像センスを感じる作品でした。
「鵞鳥湖の夜」は田舎が舞台でしたけども、今回の舞台は地方都市。
まずは、ロケ地の街並みが、まるで昭和30〜40年代の日本みたいな風景。
時代設定は2004年のはずですが、「平成」感がナーイ!
建物とか、一体いつのビルヂング?!
美容院の内装とかは、まるで戦後なんですけど?!
ノスタルジー風味が最高レベルで、古臭さの出し切り感が素晴らしい。
古臭さの蛇口全開ですよ!
主人公の元・刑事は、車内だろうが、職場だろうが、店内だろうがタバコをスパスパ。
工場勤めの女性社員には抱きついて、セクハラ・エブリディ!
元・刑事が酔っ払って道に座り込んでいると、普通にサッとバイクを盗まれるし。
えっ、中国の街って、スラム街なんですか?!
警察署にて警官が作戦を練っているときは、全員がスイカをムシャムシャ。
スイカの種を床にペッペと吐きながら、大事な資料にスイカのお汁をドバドバ垂らしながらの打ち合わせ!
野性味があふれた職場ですよ!!
その場面を観ているときは「そのスイカ、今食べなきゃいけませんか?打ち合わせが終わってからじゃダメなんですか?」と問い詰めたくなりました、蓮舫口調で!
汁の飛び散りが気になって仕方ありませんでした、便所で「尿の飛び散り」が気になるみたいに!
中国人の遊び場は遊園地とかスケート場とか、アミューズメント施設はまあまあ揃ってましたけども。
遊園地には客が見当たらず、スケート場は普通の凍った広場でした!
中国文化を上品に表現しない作風なんですよね〜、小汚い部分をさらけ出してんの!!
今作は、ベルリン国際映画祭で金熊賞と男優賞を受賞したらしいですが、なんとなく分かる気が。
これは外人の審査員が観たら衝撃を受けると思う〜、中国文化がガサツすぎて!
金熊賞というようり、ガサツ賞なんですよ!!
事件の鍵を握る未亡人役は、「鵞鳥湖の夜」で娼婦役を演じていたグイ・ルンメイさんですよ。
あの、高橋一生似の美人!
イーナン監督って、ルンメイさんのことがお気に入りなんですね。
抱きたいんですね!(←未確認)
劇中の未亡人はクリーニング屋で働いているという設定なのですが。
未亡人は、亡き夫の遺骨を、道端の街路樹の根元に埋めました適当に!
死んだハムスターでも埋めるみたいに!
えっ、中国では遺骨の扱いって、そんな感じなんですか?!
そして未亡人はモテています。
あらゆる男性が、未亡人を抱きたがって襲いかかる!
ツッコミどころが満載で、観れば観るほど中国のイメージが悪くなるという名作でした。
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