「ナイトクローラー」★★★☆ [映画日記]
主演はジェイク・ギレンホールですよ。
今回のジェイクは、目をギョロつかせとります。
目ん玉ひんむいてんよ、西川のきよし兄さんみたいに!
そんな目をして、社会性も社交性もない人物を演じております。
簡単にいえば、主人公はロクデナシ。
原題「ナイトクローラー」に邦題を付けるとしたら、「ロクデナーシー」でいいかもよ!
ジャンルは犯罪映画なのですが、一風変わってます。
異色ですよ!
主人公は悪人なのですが、直接殺人を犯すわけではございません。
夜な夜な事故や犯罪現場に現れて、残虐な被害映像を録画。
その動画の売人なのでした。
売りさばくんですよ局に!
局が高く買い取ってくれんのさ、走らないバイクも高く買い取ってくれるバイク王みたいに!
視聴率を取れる残虐な映像を求めて、どんどんエスカレートしていく撮影スタイル。
徐々にモラルをなくしていって・・・という展開。
たまにネット上にて。災害現場を撮影したカメラマンに対して「撮影なんかやめて人を救助しろ」みたいなコメントが寄せられ、撮影スタッフへのモラルが問われますが。
今回の作品は、まさに、その問題を切り取り、尾ひれ背びれをつけて、ふくらませたお話でした。
よ〜くふくらんでましたよ、焼いたお餅みたいに!
プクゥゥゥ〜ッってふくらんだ磯辺焼きみたいにさ!!
過激化するメディア映像への皮肉も込められているし、社会的なメッセージを持つ作品ですが。
お堅いだけじゃありません。
ちゃんとハラハラ・ドキドキさせてくれるところが見事です。
事故現場に一番早く到着して死傷者を撮影。
警察が来て追い出される前に撮影を終わらせるのだ、みたいなミッション形式。
ここがエンターテイメントになっているんですよね〜。
まさに、ダーク・エンターテイメントですよ。
そして、過去最高の過激映像を撮影し、自宅に帰ってから再生するのがもどかしく、帰宅途中に車を止めてノートパソコンで動画を再生。
そのときのワクワクしすぎて高鳴るハート、不気味な高揚感が、また、たまりません。
「今まで貧乏生活をしていたけど、この動画を1本売るだけで有名になれて、大金持ちにもなれる」という興奮ですよ。
一発屋が、一発当てたときの興奮!
いや〜、ボクちゃんも、自慢するわけじゃないけど負け組じゃないですか〜。(←もっと恥じて)
なんか、そういう貧乏根性に共感してしまいました。
ボクちゃん、あんなロクデナシと同化したわい!
ひとつになってしまったんですよ、ムカデ人間みたいにさ〜!!
予告見ると、社会派ドラマかと思いましたが見てる内に
おおー!っとエキサイトしてしまい、
いかんいかんと理性を呼び戻すのが大変でした(笑)
主人公のイチイチ屁理屈が屈折しまくりで
最後のセリフも爆笑で良かったです。
by aneurysm (2015-08-30 02:33)
aneurysmさん。
おっしゃるとおり、いかんいかんと思いながらも興奮してしまうんですよね〜。主人公の屁理屈にムカつきながらも、その屁理屈が通用してしまっている世の中なんですよね。「今」を感じる作品でした。
by のむら (2015-08-30 15:38)