被災されたみなさん、心よりお見舞い申し上げます。 [その他]
数日、ブログ更新を控えたいと思います。
こんなときに、バカ・ブログを書くのも気がひけますので・・。
いや〜大変な地震でしたね。
その時、僕は渋谷区のビル(12階)にいたのですが、
重い棚とかがバッタバタ倒れて、生きた心地がしませんでした。
「これは、やばいな」と思いました。
揺れが治まってすぐ、実家に携帯で電話したのですが、もう繋がりませんでした。
しばらくしたらエレベーターの一基が動き出したので帰宅することにしましたが。
電車が止まっとる!
タクシーもバスも混雑しすぎて使えない!
ってことで、なんと渋谷区から都下の自宅まで歩いて帰ることに!!
距離は、ざっと17〜22キロくらいかなぁ。
歩道は帰宅難民であふれかえって、全然早く歩けません。
ときどきお年寄りや、松葉杖をついてるような人もいたけれど。
皆さん無事に帰れたかな。
車道はもちろん渋滞しています。
ときどき見かけるバスは、超満員。
中はサウナみたいに蒸気でいっぱいでした・・。
北風が吹く中、見たこともない道を、ただひたすら歩きました。
時々iPadのマップを開き位置を確認しました。
辺りが暗くても、iPadの画面なら明るくてよく見えます。
ホント、このときほどiPadが頼もしく思えたことはありません。
GPSサイコー!
おなかがすいたのでコンビニにも寄りましたが、
おにぎりなんて、とっくの昔に売り切れです。
帰宅難民が買い占めた!
パンは少々売れ残っていたので、一個買いました。
パンくずをカジりながら、また歩きました・・。
「オラ、おにぎり食いてぇ。あったけぇ豚汁すすりてぇ」と、心でツイートしながら。
歩き始めて5時間くらい経ったとき。
「もうすぐジブリ美術館」の看板が。
いっぺんジブリ美術館に行ってみたいと思ってましたが、
まさか徒歩でたどりつくとは!
皮肉なものようのう。
そのへんから、もう足が痛くなってきました。
そのうち、足がつったので、そのへんのベンチに腰掛けました。
「オラ、オラ、もう歩けねぇだ・・」そう思ったとき、
向こうのほうに、バス停を発見しました。
20人くらいの客が並んだバス停。
行き先は幸い自宅付近。
そのとき、時計は23時でした。
はたしてそのバス停に、いつバスは来るのか?!
もう運営時間は終わっているのではないのか?!
そんなことは定かではありませんでしたが、もう歩けない。
この場所で覚悟を決めるしかありませんでした。
何十分待ってもバスは来ませんでした。
他のお客さんも生気が失せ、ぐったりしていました。
強い北風が、そんなワテらに、なんの容赦もなく吹きつけました。
誰も乗ってない回送バスが、ワテらのバス停を、何台も素通りして行きます。
「乗っけてくんろ・・。オラたちを乗っけてくんろ・・」
回送バスを睨みつけ、そんな恨み節を心で唱えておりました。
そして、ついに、
「寒い・・。オラもうダメだ・・。手がかじかんて動かねぇ。天使が見えてきたズラよ・・」
「フランダースの犬」の最終回みたいな状況になりました。
その時です。
一台の回送バスが、ワテらのバス停を目指してやってきました。
たしかに「回送」と表示されているのに、外に向けたスピーカーからは
「都下まで行きます!他のバス停には止まりません!都下まで直通で行きますよ!」
と運転手の声が鳴り響いています!
まるで、仕事を終えた運転手が、遭難者みたいなワテらを見るに見かねて、手を差し伸べてくれたかのようです。
最後の力をふりしぼって、バスに乗り込みました。
「助かっただ!オラたち助かっただよ!」
お客さんに笑顔が戻りました。
走ってる間も、車体の前面は「回送」のままでした。
こうして幸いなことにバスが来て、帰宅することができました。
出発から6時間半が経っていました。
もしバスが来なかったら、あの付近で野宿していたことでしょう。
帰宅難民の中には、ついに帰宅できず、避難所で朝を迎えた人も多いと聞きます。
本当におつかれさまでした。
そしてバスと運転手さん、ありがとう。
地震の被害が「6時間半歩く」程度なんて、マシですよね。
ケガもなく、僕は幸運だったと思います。
被災地の皆さんには、心よりお見舞い申し上げます。