「ナイアド ~その決意は海を越える~」★★★ [映画日記]
主人公は、実在するスイマーのダイアナ・ナイアドさん。
演じている女優さんをパッと見て「誰?戸田奈津子さん?」と思いましたけども、それはアネット・ベニング!
さらけ出してる老たる体!!
目が慣れてくると「あ〜確かにアネット・ベニングだわな。隠しきれない美と個性」と思うのですが。
役への「なりきり度」は高いですね。
アネット・ベニングが、賞レースの「主演女優賞1本狙い」を賭けた勝負作になっていると思います。
主人公の親友役はジョディ・フォスターですよ。
だいぶね〜、ジョディさんも歳を重ねてムツゴロウさん化が進みましたけども。
アネット・ベニングと同じくらいの出番量で、主人公を理解している重要な役どころになっています。
アネット・ベニングとジョディ・フォスターがワチャワチャとダベっている姿が、本当の友達同士を見ているようで微笑ましい〜。
まるで吉行和子さん&冨士眞奈美さんですよ!
ありそうで無かった、良い共演だと思いました。
主人公のダイアナ・ナイアドさんが、キューバからフロリダまで泳いで渡ろうとする挑戦を描いた、実話ベースの物語。
50時間以上も徹夜で泳ぐんです。
60歳を過ぎてスゴイ!
再現された遠泳場面が、過酷でビックリ。
体調不良、悪天候、有害な海洋生物が主人公を襲いまくり!
ほとんど溺れてるじゃんか〜!!
計画は失敗を重ねますが、めげないダイアナ・ナイアドさん。
何度も、何度も立ち上がる!
そんな姿を観ていると涙が出てきます。
「60過ぎてるおばさんが、ここまでガッツを見せている。自分もまだまだやれることがあるのではないか」と勇気づけられました。
ミッション遂行型の構造を持つ物語で、クライマックスは盛り上がりました〜。
一般的に、登山家は「そこに山があるから登るんだ」みたいな哲学を持っているようですけども。
ダイアナ・ナイアドさんも「海があるなら渡ってみたい」という基本的・信念がありつつも。
今作では「虐待された過去を、誇り高い記録で塗り替えたい。人生を上書きしたい。もうあとは死ぬだけなのだから」という解釈もされていて、まあまあ複雑で現代的な女性心理に脚色されていました。
劇中でのセリフでも「水泳は個人競技だけど、遠泳はチームプレイ」と言われていたように、ジョディ・フォスター演じる水泳コーチで相棒のボニーも、よく主人公に付き合っています。
ダイアナ・ナイアドさんは、サバサバした性格だけに、周囲を振り回す傾向に。
そんな彼女を見捨てず、自分の時間を犠牲にしてまで彼女の夢をサポートするボニーって、なかなかの人材ですね。
いい奴なんですよ!
そんな2人のおばさんによる絆が熱かったです。
どうやら2人はLGBTQらしいのですが、交際はしておらず、関係は「30年来の友達」っていうのが、また良いんですよね〜、ドロドロしてなくて。
抱いてないから良いんです!
「実話」×「スポ根」×「LGBTQ」×「虐待」×「おばさん友情」という要素で、「老若男女が感動できる今どき映画」という感触に仕立てていましたね。
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