「幸せの答え合わせ」★★★ [映画日記]
日本では2021年に劇場公開された、イギリス製ヒューマン・ドラマ作品です。
「幸せ…」という、フンワリした邦題が付けられていますけども。
砂糖で包まれたおやつみたいなイメージですけども!
熟年夫婦の結婚生活が崩壊する、という内容で、まあまあ辛口の内容でしたね。
大人の辛味ですよ、練りわさびみたいな!
お鼻に抜けるんですよ、ツンとした香味!!
ウィリアム・ニコルソンという人が監督・脚本で、昔、自身が手がけた戯曲が原作、ということで。
戯曲っぽく、登場人物も少ないセリフ劇となっています。
演出も繊細で、良い感じの小作品に仕上がっていました。
夫婦を演じているのは、ビル・ナイとベニ子!(←アネット・ベニング)
どんな夫婦かと思ったら、ビル・ナイは物静かな大人しい夫で、ベニ子は威圧的な態度と言葉で夫を支配している妻でした。
妻が「おっかねぇ」っていう映画!
インテリ気質で、夫との対話ではマウント取り気味、カッとなると動作が激しくなる、という妻。
些細なことで口ゲンカに発展する夫婦ですが、すぐに妻が夫に猛烈ビンタ!
手が出んの!!
夫が逃げるように自室にこもると、妻はダイニング・テーブルを、食器が乗ったままひっくり返しました。
「DV夫」とはよく聞きますが、今作では「DV妻」がフィーチャーされていますね。
西洋の映画で、「DV妻」に焦点を当てている作品は珍しいかも〜。
大抵、西洋のご家庭にいるのは「DV夫」ですのでね。
ビル・ナイって細身で、なんだか弱々しいい爺さんに見えて、とっても気の毒になりました。
妻に引っ叩かれたら、すぐに、どこかの骨が折れてしまいそう〜。
自宅でもネクタイを巻いている夫ですが、あのネクタイは「首輪」っていう意味だったのかも〜。
そんなこんなで、夫は「辛い。もう家を出ていく」という展開に。
別れ話を切り出された妻は「妻に夫が見合わないですって?!見合うように努力するのが夫だろうがよ!」と逆ギレ。
「ブラック上司」と同じ言い分!
観ていたわたくし、こわくて震え上がりました。
夫は、別の女性と人生をやり直したい、と思っているようなのですが。
結局、それって不倫なのですが。
ビル・ナイの枯れてる見た目が同情を誘い、「その不倫は仕方ない」と、許せる気持ちになってしまいました。
ヨボった、シワシワの体で、客の気を引いてました!
果たして、この夫婦の関係はどうなるのか?…という点が見どころに。
おっかねぇ妻の「逆恨み」だけが深くなっていう一方、っていう、リアルで苦い味わいが、後を引きました。
夫婦の年齢設定は50代だと思われますけども。
シャーリーズ・セロンは、将来的に、このジャンルに行くのだろう、と思いながら鑑賞いたしました。
「アネット・ベニング」
引退したのだと思いました....
「戯曲っぽく、登場人物も少ないセリフ劇となっています」
昔の米国映画みたい.....
「それって不倫なのですが」
英国の法律を知りません...
by サンフランシスコ人 (2023-07-06 01:29)
ベニ子の様子が観たくてトレーラーを観てみましたが、名演でびっくりしました!
あれほどかわいかった時代の事なんて、チラっとも見せない女優魂って、そもそもあのくらいにかわいくなくちゃ持てない気もしましたけど。
いろんな意味で、オバサンのおっかなさがありそうですね!
by ぽん♪ (2023-07-06 06:30)
サンフランシスコ人さん。
アネット・ベニング、まだまだ、がんばっていますね。ぜひ、応援してあげてくださいね。
ぽん♪さん。
ベニ子さん、老けを隠すことなく、堂々と演じていてステキですよね!今回は「鬼嫁」という新たな魅力を打ち出していました。顔が整っているだけに、逆に怖かったです。
by のむら (2023-07-06 10:40)