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「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」★★★ [映画日記]

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米国でコインランドリーを経営している中国人のおばちゃんが、特殊能力を得て大暴れするという、SFアクション・コメディです。

 

近年、若者に向けて、抜け感のあるクールな作品を送り出しているA24が配給している作品ですけども。

 

歴代のA24関連作品の中では、最も騒がしいですね。

 

ガヤついてんの!

 

ホントうるさ〜い!!(←良い意味で)

 

あんまりガヤガヤしているので、鑑賞中は、一体どんな物語が展開しているのか分かりません。

 

追いついていかないんですよ、脳が!

 

観終わっても、一体どんな物語だったのかは説明できませんが「別にいいのかな」と思います。(←良くないですか)

 

コラージュアートのような、めまぐるしい編集、エロ、グロまで取り入れた表現手法も、とってもエッジが効いています。

 

これは、狂気すら感じる、本格辛口ムービーですよ!

 

こんな作品が、よくもまあ各国の賞レースに食い込んで、しかも受賞まで果たしているな、と驚きました。

 

通常、こういう「頭のネジが1つ取れてる」系の作品は、賞レースには食い込んできませんのでね。

 

前評判が高いまま日本で公開が始まりましたけども。

 

日本のライトなお客さんが、こんな映画を観たらドン引きするかも〜、と心配しています。

 

今作には、パラレルワールド的な別宇宙(マルチバース)が組み込まれた世界観で、別の人生を生きている登場人物も続々出てきますけども。

 

わたくし「マルチバース」って、スーパーヒーロー用語だと思っています。

 

専門用語ですよ、業界用語!

 

今作のプロデューサーは「アベンジャーズ」シリーズのルッソ兄弟ですし。

 

冴えない主人公が特殊能力を持って変身する、という基本プロットからも、今作は「スーパーヒーロー映画の一種」なのかも。

 

最もスーパーヒーローっぽくない人物とは誰だろう・・・それは、コインランドリーを経営している中国人のおばちゃんではないか。

 

中国人のおばちゃんが戦う理由は何だろう・・・それは世界を守るためではなく、家族を守るためではないか。

 

そんな逆説から導き出された物語のような気がします。

 

A24は、これまでも、既存ジャンル(ホラーやスリラーなど)を、「今どき風味」に再構築した映画を送り出していますけども。

 

今作は、「スーパーヒーローもの」を再構築した映画なのかもしれません。

 

中国人のおばちゃん役を演じたミシェル・ヨーは、元々アクションが出来る人なので、予想通りの大活躍。

 

これまでの出演作では、アクションができる上での「きれいどころ」役が目立ちましたけども。

 

いつも華麗でしたけども!

 

今作では、肌のくすみ全開!!

 

生活に疲れ果てているという、髪バッサバサ、肌ガッサガサ感が新鮮でした。

 

夫役のキー・ホイ・クァンも、優しい風合いが魅力を放っていましたね。

 

マイルド・ハズバンドでした!

 

娘役を演じたアジア系の若手女優さんも、とっても野生的な演技で良かったです。

 

意外なほどハマっていたのが、税務署のおばちゃん役ジェイミー・リー・カーティスですね。

 

見た目ダッサダサで、腹が出ているおばちゃん役ですよ、腹ポコおばさん!

 

マルチバースの世界で、ジェイミー・リー・カーティスが悪役としてミシェル・ヨーに襲いかかる、という場面が楽しかったです。

 

出演者のみなさん、キャラ表現のクオリティが高くて、体臭を感じるほど。

 

良い臭みが出ています、納豆みたいな!(←褒め言葉)

 

彼らの自宅も「よそん家の独特の臭い」を感じるような臨場感。

 

サラダ油みたいな臭みですよ!

 

妙な生々しさも魅力でした。

 

 

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すだち

二日目に鑑賞してきました。その時の客層が若干高めだったんですよ、中高年多め私含め。で、上映後の空気がちょっと微妙だったのは気のせいかしら、皆さん想像を超えた設定と内容でポカーン( ゚д゚)だったのでは…いや面白かったですけど。こういう映画はもう流れに身を任せるしかないですね。まあそのうちわかってくるだろうと思いつつ、最後までいまいちわかりませんでしたがw そういうとこはクラウドアトラスを思い出しました。あれも多元宇宙だかマルチバースの頭混乱系でしたよね。クラウドアトラスをハイテンションにコミカルにしたライトバージョンって感じでした本作は。さてオスカー獲れるでしょうかね~。編集賞あたりはいけそうかしら。作品賞とか獲ったら快挙~。楽しみですね。
by すだち (2023-03-12 09:47) 

のむら

すだちさん。
なるほど「クラウドアトラス」も、こんな感じでしたね!米国人は多元宇宙に馴染みがあるのか、こういう世界観の映画って時々製作されますね。わたくしも鑑賞時、他のお客さんの空気が微妙だった気がします。おっしゃるとおり、こういう映画は、こういう映画として、深いことは考えずに身を任せて楽しんだ方が良いですね!アカデミー賞は、何かの部門で受賞しそうですね。編集賞は、いけるかもしれないですね。「SFコメディ」というジャンルでアカデミー賞の主要部門の受賞は難しいかですが、がんばってほしいですね!
by のむら (2023-03-12 14:43) 

すだち

のむらさん、やりましたねーエブエブ。アカデミー賞主要部門ほぼ総なめ!前哨戦の結果などから下馬評も高かったようですが、それ以上の大ブレイクでしたね~。お見事でした。そういえばクラウドアトラス、ネトフリでやってたんで思わず観ちゃいましたけども、これ確か公開当時批評家さんたちにやたら酷評されまくってましたな。時代を感じます~。 
by すだち (2023-03-13 22:04) 

のむら

すだちさん。
そうなんですよ、エブエブの勢いがすごくて仰天しました!主要部門を独占状態で、まさか、ここまでやるとは・・。「クラウドアトラス」も、今公開なら絶賛されたのかもしれませんね。生まれてくる時代を間違えた「不運な子」です〜。
by のむら (2023-03-13 22:54) 

すだち

確かに~。エブエブは、SFコメディながら根底に流れるテーマは家族愛(かな?)と案外コンサバで、民族や人種を問わず共通した価値観っぽいのが結構まともな作品なのかもなーという気もします。アバター:ウェイオブウォーターとも通じるじゃんこれ、とか思ったり。また、マルチバースやらパラレルワールド(の違いがわからない女、それは私)をあっちこっち移動しつつもテーマはブレず、一貫してぐいぐい畳みかけられてる感じでした。とはいえエログロ交えつつなんですが。そこがまたいいですよね。時代にドンピシャな子でしたね。
by すだち (2023-03-14 10:02) 

のむら

すだちさん。
そうそう、結構エログロなんですよね〜。エログロ場面を観たとき「アカデミー賞はないな」と思ったのですが・・まさかねぇ。確かに1つの家族を描いているのは、アバター2と共通ですね〜。そう言われてみれば、エブエブは、審査員の得点を稼げる要素がいつくつも仕込まれていますね。まさか、こんなにも今の気分に合う作品になるとは思いませんでした〜。
by のむら (2023-03-14 10:41) 

ちびまま

くだらん、つまらん、下品
アカデミーも地に落ちたね。
毎回毎回今度こそは、と思って案の定だったナイト・シャマラン=ツマラン作品と変わらないが、ある意味寝落ちしてから見てもテーマが一貫しててストーリーが分かったからまだましなのかも。
おバカなアメリカ人にエブエブ本当に分かったのかね?
by ちびまま (2023-04-22 06:21) 

のむら

ちびままさん。
とくに日本のお客さんにとっては「マルチバース」という世界観に馴染みがないため、かなり難易度が高い作品になったと思います。米アカデミー賞は「マルチバース」の本場アメリカだからまだしも、他の国でも評価されているのが不思議ですよね〜。
by のむら (2023-04-22 13:17) 

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