「リトル・シングス」★★★ [映画日記]
デンゼル・ワシントン、ラミ・マレック、ジャレッド・レトというアカデミー賞男優が揃ってます。
ズラリ、ハリウッドの猪鹿蝶!(←花札に例えてみました)
この面子で、日本未公開作品とは残念です。
米国では2021年に公開されて、興行ランキング1位を記録したサイコ・スリラー作品。
日本では、2022年1月にNetflixで配信されました。
ああ悔しい。
アカデミー賞男優に押されてしまった、「配信スルー」の烙印。
お尻に押されてしまいました!
日々、雑用をこなしている保安官役が、デンゼル・ワシントンなのですが。
地味なように見えて、実は捜査能力ピカイチという設定。
爪を隠してんの!
そんなデンゼル様に、上から目線で対応する中堅刑事役がラミ・マレックですよ。
デンゼル様に向かって「アンタ、昔は敏腕刑事だったらしいじゃん。へ〜。お手並み拝見」みたいなタメ口!
目つきも冷たい、ドS刑事!!
そんな警官コンビが、未解決の連続猟奇殺人事件を追う展開。
ジャンルは「デコボコ・コンビの捜査もの」ですよ!
二面性のある主人公を演じるデンゼルは、過去の出演作「イコライザー」系の演技を見せて、めちゃめちゃ上手ーい。
「ワケあり」という設定を、なんとなく匂わせてくる芝居は、深みが十分で魅了されました。
容疑者の1人を演じたジャレッド・レトも、ア然とするほど演技が上手ーい。
顔は美形なのに、どうしてこんなに不気味な周波数を出せるのか不思議〜。
デンゼルとジャレッドが、ホント最高〜。
そんな2人に挟まれると、どうしても見劣り感が出てしまうラミ・マレック。
役の設定も、お偉そうな割に、実はヘタレでしたし。
気の毒でした、1人負け状態で!
デンゼルとのツーショットも、馴染みは弱いかな。
ケミストリー起こらず!
煙すら立たず!!
ラミ・マレックを励ましたかったです「面子の中でフレディ・マーキュリー役を演じたならば、マレックさんが1番だよ!」と。
「フレー、フレー」と応援したかったです、ポンポンを振りながら!(←チアガールかい)
しかし逆に考えてみれば、そんな妙な顔合わせが新鮮に感じる作品でした。
てっきり「殺人ミステリー」が魅力のお話かと思っていたのですが。
中盤以降は本格的な心理劇に変貌し、なんとも苦々しいクライマックスに。
一筋縄ではいかない人間ドラマになっていました。
劇中で扱われる事件は、殺人犯が女性ばかりを狙ったもので、手口も残虐。
「こんな表現、MeToo後の現代じゃ流行らない」と思ったら。
今作は、「しあわせの隠れ場所」などを手掛けたジョン・リー・ハンコックさんが、1990年代に書いた脚本を自身で映画化したもの。
どおりで、なんか感覚が古いはず。
時代設定も1990年で、登場人物は携帯電話を持っていない。
連絡は、まさかのポケベル!
広末涼子ちゃんのやつですよ、ドコモの!!
この脚本で、1990年代にはスティーヴン・スピルバーグ監督作として映画化される予定だったのだそう。
スピルバーグ監督が降板してから何十年も経ち、自作の脚本を自分で監督することになったジョン・リー・ハンコックさん。
悲願達成、令和になって!
きっとダルマに目を入れた!!
白人おじさんの、とてつもない執念を感じる作品でした。
あの赤井髪飾り、新品すぎ~
普通気付くやろ、って突っ込んでしまいました。
ラミはん、完全に飲まれてましたね。家は立派でしたけど。
by わに (2022-02-02 01:04)
わにさん。
確かに髪飾りが新品すぎでしたね!容疑者の車の助手席にホイホイ乗るし、言われるがままスコップで穴を掘るし、スキが多い刑事でしたよね。あれで、庭にプール付きの家に住んでいるとは〜。今、冷静に思い返してみれば、そういう警察の裏側がテーマの話でもありましたね。
by のむら (2022-02-02 15:43)