「ラストナイト・イン・ソーホー」★★★☆

 

エドガー・ライト監督作と言えば。

 

サイモン・ペッグやニック・フロストが、街で騒ぐお話の映画が印象的ですけども。

 

おじさんがギャーギャー言う映画ですよ！

 

しかし、今作の主人公は、まさかの女子。

 

ギャルですよ！

 

田舎から、ロンドン・ソーホー地区に出てきた女の子、エリーがヒロイン。

 

上京ガールですよ！

 

エリーはファッション・デザイナー志望なのですが、感覚は古臭い子。

音楽も服装も、1960年代のものが好き。

 

古いタンスの臭いがしてきそうな、タンス娘！

 

序盤では、エリーの学園生活シーンもあって、「脚本も手がけたエドガーさん。ギャルの気持ちも丁寧に描いている。おじさんなのにスゴイ」と思って、感心したのですが。

 

共に脚本を書いた人は女性ということで、学園生活シーンは彼女が書いたのかもしれません。

 

エリーは、ウブでネンネな奥手女子かと思ってましたけども。

 

生娘ではなさそう。（←勘）

 

そんな設定も良かったです。

 

また、エリーは霊感が強い子。

 

見たくないのに見えちゃうんですよ、オバケ！

 

ああ、良いところなんて、ひとっつもない娘、それがエリー！！

 

そんなエリーが下宿先で寝ていると、1960年代のソーホーで生きる、自身に満ちてキラキラした女性サンディの姿を見てしまう、というファンタジックな展開に。

 

果たして、サンディとは何者か、どうしてそんな夢を見てしまうのか、という点が見どころの作品になっています。

 

観る前は「なんでまた、エドガーさんが女子映画を？」と思っていたのですが。

ザックリ言えば、テーマは「MeToo」なんですね。

 

時代に合わせてきたんですよ、あの人も！

 

しかし、社会派とは正反対の、ホラー・エンターテインメントという作風がニクい。

 

ハイテンションで幻想的、ポップとダークの間を行ったり来たり。

すさまじい娯楽色で「MeToo」要素をほのめかしつつ、ソーホーの街の香りも伝わってくるという、エドガーさんらしい視点の粋な映画で、とっても楽しみました。

 

エリーとサンディという、対照的な女子2人が、鏡越しに佇んでいたり、突然2人が入れ替わったり。

流れるような演出と編集がお見事すぎる〜。

 

監督の前作「ベイビー・ドライバー」でも見せた、匠の演出力が冴えまくり〜。

 

アンタ、ミラクル演出家！

 

「この人は、いつかアカデミー賞の監督賞を取る」と思いました。

 

エリー役を演じたのは「ジョジョ・ラビット」や「オールド」に出ていたトーマサイン・マッケンジーですけども。

 

売れ筋の子ですよ！

 

若いのに、堂々とした主演っぷり〜。

 

芝居には、ちゃんとコシが入ってました、さぬきうどんみたいに！

 

スター性のあるサンディ役を演じたのは、飛ぶ鳥を落とす勢いの売れっ子女優アニャ・テイラー＝ジョイですよ。

 

イタチ顔の、あの子！

 

これまた、世界レベルの圧倒的な目力で観客を魅了。

作品を印象づける、アイコン的存在を立派に果たしていました。

 

アニャ・テイラー＝ジョイは、元々、立ち振る舞いがセレブっぽいから、役に合っていました。

 

膝にチンチラを抱いて、紅茶を飲んでそうな子なんだよね〜、カップ＆ソーサーで！

 

 

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コメント 2

遅ればせながら観ました！アニャちゃんはイタチ顔ですか！キツネ顔と思ってましたが納得です〜
エリーに生娘感がないのはタドタドしさを出してないからですかね？全般的にアメリカ映画ってハジメテでも楽しむ気満々ですよね！いつも日本との文化の違いを感じてます〜
by 苦汁GABのみ子 (2022-03-04 22:40) 

苦汁GABのみ子さん。
観たんですね！そうそうエリーには、たどたどしさがなかったですね。男性に抱かれようって場面でも堂々として。さすが、西洋の女子は違いますよね！アニャちゃんは動物顔なので、ハロウィン等で動物の仮装をする場合、とくに顔には過剰なメイクをしなくて済みそう〜。
by のむら (2022-03-05 15:01)