「アナザーラウンド」★★★ [映画日記]
飲酒をテーマにした、北欧製のドラマ作品です。
呑んべえの話!
主題歌は吉幾三の「酒よ」で問題ナーイ!
2021年の米アカデミー賞では国際長編映画賞を受賞するなど、評価の高い作品ですけども。
「めちゃめちゃスゴイ」って感じの映画でもなく〜。
あの時のアカデミー賞って、「ノマドランド」や「ミナリ」など、民族性を感じる作品が賞を獲得してたじゃないですか〜。
デンマークを舞台にした「アナザーラウンド」にも独自の民族性があるので、審査員の目を引いたのかも。
高校生もお酒を飲んでいい、っていう狂ったお国柄ですよ!
冒頭から、若者が「お酒を飲んで走り回るゲーム」みたいな場面があって、みんなゲーゲー吐いている!!
授業中に先生が「クラスの中でお酒を飲む人〜」と問いかけると、全員が手を上げた。
「ビール何本飲んだ?」と問いかけると、「55本」と答えるバカ男子!
卒業式の後は、卒業生がトラックの荷台に立ち乗り、酒瓶ラッパ飲み。
そのまま街中グルグル回る、みたいな、謎行事!
まずは、高校生がお酒について「ザル状態」っていうところに、愕然としました。
なんと、それが基本設定。
飲酒をテーマにしていながら、大体の舞台は学園内、っていうギャップ。
日本では決して見ることのできない設定でした。
主人公の高校教師マーティン役は、マッツ・ミケルセンが演じてますよ。
他作品では、時代劇や、特殊な世界観での、特殊な人物役が多いミケルセン、殺し屋とか、デススターの開発者とか!
今作では普通の生活者を演じているミケルセンが、まずは新鮮でしたけども。
のっけから、「アンタの授業、質が悪い」と、生徒の親に叱られるミケルセン。
囲まれてんのPTAに!
帰宅したところで「最近、嫁が冷たくて。抱いてない」みたいな、夫婦のお悩みが発覚。
「夜の悩み」ですよ!
そんなこんなで、公私ともにドン底で、シュンとしているミケルセン。
産卵している海亀みたいに、涙を流すミケルセン!
教師仲間と共に、「血中アルコール濃度が0.05%だと、人は調子がよくなる」という仮説を信じ、飲酒した状態で授業に臨む、という展開です。
お酒の陰と陽がクッキリ。
少し飲めば人生の楽しさ倍増、飲みすぎれば危険、という、大人なら実感できる「飲み過ぎ注意報」的な内容になっていました。
「喜びと悲しみには、いつもお酒が寄り添って、生活を盛り上げる」というような、人生賛歌の味わいも。
「時にノドごし良く、時に苦い。人生はビールのようなもの」っていうね!
ミケルセンと、教師仲間3人がメイン・キャラクターなのですが。
あまりにもミケルセンがスターのオーラを放ちすぎて、仲間3人が目立たない。
仲間3人、全員同じ顔に見える〜。
ホント、冴えない仲間3人!(←失礼)
物語の後半では、クールな背広に身を包むミケルセン。
この人が正装して出てくると、もはや高校教師には見えづらく。
もう完全に、殺し屋かデススターの開発者ですよ!
正装のミケルセンが出ている場面では、冴えない教師仲間は、そこに居るはずなのに、わたくしの視界から消えてしまいました。
ミケルセンが放つ、まばゆいオーラに殺されたんですよ!
ミケルセンが「北欧の至宝」だと実感できる作品でした。
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