「時の面影」★★★ [映画日記]
演歌の曲名じゃありませんから!
Netflixオリジナル映画です。
冒頭から、田舎道を走る自転車の映像。
たどりついた先は、執事が扉を開けるお屋敷ということで。
なんとなく世界観がドラマ「ダウントン・アビー」っぽい。
すぐに「さては舞台設定は、ダウントン・アビーと同じ、20世紀初頭のイギリスだね」とピンときました。
ものすごく20世紀初頭のイギリス臭い。
くすぐるんですよ、鼻腔を!
自転車に乗っていたおじさんが、執事に言いますよ「バジルと申しますが、プリティさんいますか?」と。
名前がバジルやプリティって、まるでアニメ・キャラの名前みたい。
助かりました、覚えやすくて!
バジル役はレイフ・ファインズ、裕福な未亡人プリティ役を演じているのはキャリマンっていう!(←キャリー・マリガン)
メイン・キャラクターは、この2名。
なんとこの作品は、プリティ家の敷地内にある塚を、雇われたバジルさんが掘るお話。
なんとも珍しい「遺跡発掘もの」なのでした!
そうなると、熱い考古学ムービーなのかな、と思いがちですが、しっとりと落ち着いた文芸映画に仕立て上げられています。
詩的な邦題を付けて正解だったかも〜、原題は「The Dig」(ザ・掘る!)なので!
まずは、プリティさんが敷地内をバジルさんに案内するのですが。
「私、あの塚、なんか気になるわ〜。何か埋まってる気がするわ〜」と、お目当ての塚を紹介。
謎のカンを働かす未亡人!
かつて「徳川埋蔵金」を、「あるとしか言えない」と探し続けていた糸井重里をほうふつでした!!
結局、その塚からは意外なものが掘り出される展開に…。
掘り出されてからは、とくに大きな出来事もなく終了〜。
土は盛り上がっていても、話の方はとくに盛り上がらず!
さすが配信映画、これは普通に劇場公開してもヒットしなさそうな感じでした。
しかしながら、見どころはございます。
なんといっても、今回のお話は実話がベース。
世界的に有名な遺跡「サットン・フー」の発掘エピソードなのでした。
だから登場人物も実在するんですよね〜。
観賞後にサットン・フーについてウィキペディア等で調べてみたら、まー色んなスゴイものが発掘されていてビックリ。
この映画の良いところは、観賞後に調べたくなることだと思います。
遺跡を知るきっかけになりますよね〜、こういう映画は。
また、偉大な発掘者であるべきバジルさんが、名もなき労働者であることもポイント。
無名なんですよ!
バジルさんが「未来の人に、過去の文化を知ってもらうために」と、意義を持って発掘するところが心を打ちました。
演じているレイフ・ファインズも、昔のイケおじ役がハマってる。
「レイフ・ファインズって、やっぱりいいな」と思いました。
バジルさんの奥さん役は、ただのおばさん風!
普通の大阪のおばちゃん風ですよ!!
そんなカップリングも面白かったです。
キャリマンも実生活で母になったからでしょうか、「老け」を前面に出していて新鮮。
ちっちゃいローラ・リニーみたいになってました。
発掘の手伝いをする女性役はリリー・ジェームズが演じてましたけども。
実生活と同じ「不倫臭い」役で、笑ってしまいました。
もしかして不倫イメージで売っている、不倫ビジネスなのかもしれません。
そして、リリー・ジェームズが最終的に男に抱かれる場所も、まあまあ意外。
雨や風が、直に体にあたる場所!
そんな所で、いたしたわい!!
しっとりとした作風の中で、スパイシーな抱かれ場面でした。
The Dig: A Novel Based on True Events (English Edition)
- 作者: Preston, John
- 出版社/メーカー: Other Press
- 発売日: 2016/04/05
- メディア: Kindle版
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