「彼は秘密の女ともだち」★★★ [映画日記]
「女装」という趣味を、ひとつの「変態」として扱った作品です。
ざっくり言えば「変態ムービー」だと思います。
変態がテーマなのですが日常的。
普通の生活にソッと寄り添ってんの、変態が!
親友を亡くした女性が主人公。
親友の夫が女装趣味を持っていて、彼が女装したまま主人公と交流する、という展開。
主人公の心にポッカリ空いた穴を埋めるんです、変態が!
女性の心を癒やすんですよ、変態が!!
ヒロインの中にも、変態資質が無いわけでなく・・・。
唱えております、「誰しもが変態」論!
「そうだよね」と思いました。
「みんな言わないだけで、何かしら変態資質を持ってるものだよね。みんなムッツリスケベなんだよね」・・・そんなことを考えながら鑑賞いたしました。
こんなふうに、「変態」と「普通」の境目をあいまいにしているところが上手いです。
ものすごくボヤかしてんの!
よくあるタイプの変態ムービーなら、「変態だって人間。仲間はずれにしちゃかわいそう。一緒に生きていこうよ」みたいな目線だと思うのですが。
「変態」と「普通」は別物ですが。
この映画は、「変態」と「普通」が重なっている。
人間の中には「変態」と「普通」が混在している、と描いてるんですよね。
観ているうちに、だんだん「変態が普通」と感じてきますよ。
「変態でいいんだよね。ああ自分が変態で良かったと」と・・・。
慰められてしまうんですよ、変態に!
こういう題材を扱った作品は、口当たりがしつこくなりがちですがエグ味があるんで!
その点も、ほぼ、やりすぎておりません。
女装ファッションのセンスも、度が過ぎてません。
はしゃぎ過ぎてないんです!
ゲイバーで女装ショーを見るというシーンは、少しやりすぎだと思いましたけど・・・。
あのシーンは、プロすぎました!
が、大体センスよくまとまっていて、ときには笑いがあり、ときには考えさせられるし、魅せますよ。
さすが、フランソワ・オゾン監督だな〜、と思いました。
ヒロインの親友はスンゴイ美人、みたいな設定でしたけど。
「いや〜それほどでも・・・」と思ってしまいました。
顔の系はロザンナ・アークエットみたいな感じ。
キツネ顔ですよ・・・いや、ケツネ顔!
ケツネ美人ですよ!!
男性が女装した姿も、ステキじゃないのですが、それは意図通りかな。
ミニスカートや、スキニージーンズを穿いていたのは、スゴイと思いましたけど。
男性が女装したときの姿は、なんとなくヒラリー・スワンクをほうふつでした。(←ヒラリー・スワンクに失礼)
6月のフランス映画祭で先行上映されてみてきましたけど、オゾン
監督の映画史上、最もゲイ色の強い映画じゃないかと。ノンケから
みたら完全な変態映画なんですが、そこはオゾン監督。変態でも
人間なんだぜ、仲間外れにするなよ~というメッセージがwww
それとオゾン映画のお約束、女優が簡単に脱ぎますよね。助走が
一切無く、いきなりボンっみたいな。
最初に死んでしまう親友役の女優はイシルド・ル・ベスコというフラ
ンスでは結構知られた人でして、イギリス、フランス、ベトナムの血
を引いてらっしゃるのでとっても微妙な顔つきをしています。それが
また面白いですけど。
by gorota@sj (2015-08-27 11:21)
gorota@sjさん。
親友役の女優さん、有名な人なんですか?!目立つ役だし、印象に残る人ですね。
女優さんも、オゾン監督作なら、割とすぐ脱いでくれそうな気が・・。ノンケ監督よりは抵抗なさそうですよね。言われてみれば、オゾン監督作の中ではゲイ色が濃いかも。ゲイ映画をたくさん撮ってそうにみえて、そんなことないんですよね〜。
by のむら (2015-08-27 20:44)
仏映画って、すんごい美人あまりでてきませんよね、昔の作品は別として。ヴィルジニアもキレイではないですし…そこら辺がリアルというかユルいというか。ところどころ笑えて、シリアス過ぎないのが良かったです。
by M (2015-08-28 01:07)
Mさん。
たしかに、フランスのスター女優も、めちゃめちゃ美形という感じではないですよね。とくに歯のあたりとかガタガタだったり・・。ま、そこがカッコいいのですが。この作品、おっしゃるとおり、ところどころ笑えるところが良かったです。なんか、ところどころが「女装ギャグ」でしたよね〜。
by のむら (2015-08-28 23:31)