「胸騒ぎの恋人」★★★ [映画日記]
グザヴィエ・ドランが監督・脚本・主演を兼ねた、2010年の恋愛映画です。
当時は20歳そこそこのドラン。
ちょっと前まで未成年!
本編に出てくるドランがお若いです。
チェリーボーイに見えなくもナーイ!(←余計な目線)
この若さで、作り上げてる映画の印象は「巨匠」ですよ。
アート感、瑞々しさ、間合い、情感などの組み込み方が見事です。
20歳そこそこで、映画の質を上げる術を知っているお方。
ドランの過去作を観るたびに言ってますけど、たいした、たまげた!!
20代男女の三角関係を描いた物語。
男2人に女1人の、ドリカム編成〜!(←古いです)
ドラン作の中では若々しい内容で、ユーモアもあるし、ドランなりの「ラブコメ」という感じなのでしょうか。
美青年ニコラに恋したのは、ドランが演じる主人公フランシス。
同時にニコラに恋したのは、フランシスの親友マリー、という人間関係になってます。
まずは、美青年ニコラの顔が妖艶。
「こういう顔、どっかで見たことある。なんかジャニーズにいた気がする」と思って、観賞後にネットで顔検索。
そしたらキスマイ!
ボクちゃんジャニーズに興味ゼロで、誰が誰やら分からんけどキスマイ!!
美青年ニコラの雰囲気は、キスマイの玉森くんっぽいな、と思いました。
ニコラが意図せずに、自分を愛するフランシスとマリーを翻弄。
気があるように見せかけておいて、実はそうじゃない、みたいな。
罪悪感なく弄ぶ!
大体そんな感じですよ、世の中のモテるお方は。
フランシスとマリーも振り回されっぱなし。
転がされっぱなしでした、てのひらで!
モテない者に同情できる内容。
無邪気という、ニコラのキャラクター設定もリアルだと思いました。
ニコラのお母さん役を演じたのは、後のドラン作「Mommy/マミー」に主演するアンヌ・ドルヴァルでした。
ドランの中の母イメージって、こういう感じなのかな〜、と思いながら観てました。
マリーがニコラにラブレターを出したあとに後悔し、ニコラに会ったときに「あのラブレターは違うの違うの〜!他の人に出す手紙を間違えて出しちゃったのよ〜!!」と、見えすいた言い訳をする場面も、痛くて最高。
マリーとか、ドランより年上の女性の脇役を、いつもドランは上手に作り上げますね。
フランシス(ゲイ青年)とマリー(年上の女性)は、似た者同士(ライバル、親友、分身)であることを描いたドラン。
「BL」とは男性だけの世界には留まらず、女性との関係も含まれて膨らむものなのではないか、そんなことを小一時間ほど考えてしまいました。
ワシなりのBL論ですよ!
軽めの感触でしたが、BLの奥深さは感じられる「BL巨匠」作品でした。
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