「アンストッパブル」★★★ [映画日記]

2025年1月に配信された、amazonプライム・ビデオのオリジナル映画です。
実話をベースにした作品で、2011年の全米学生レスリング大会に出場したアンソニー・ロブレスさんの、苦難に満ちた選手生活を再現しております。
まー驚いた。
びっくらこいた!
アンソニー・ロブレスさんは、生まれつき片足が無いんですよ。
レスリングの訓練をする場面では、歩くときには片足だけでピョンピョン跳ねて移動しています。
ランニングするときは松葉づえをつきながら、両足のある他の選手と一緒に走っていますよ。
登山訓練でも、誰にも手助けされず、転びながらも自力で山を駆け足で登ります。
弱音を吐くことは一切ございません。
ご本人は「片足が無い可哀そうな子として記憶されたくない。試合に勝ったという印象を残したい」みたいなことを言っておいででした。
わたくし、涙が出て仕方がありませんでした。
わたくしなんて、両足がありながら、いつもゴロゴロして遊んでばかりですから、子パンダみたいに!
自分が恥ずかしくて涙が出たんですよ!!
ハンデを背負いながら、大会に出場して強敵との決戦を迎える展開は、どうやったって盛り上がってしまいますね。
スポ根パートは「多様性のあるロッキー」みたいな感触でした。
同時に、アンソニー・ロブレスさんの家庭環境が「選手生活の足を引っ張る」というネガティブ要素として描かれています。
ロブレスさん宅は、子だくさんの貧乏家!
お決まりの場面もございます、「家賃滞納」っていう!!
しかも、きょうだいのうち自分だけは母の連れ子で、ゲスな継父から陰湿なイジメを受けている、という鬼畜な設定に。
ジェニファー・ロペス演じる母親は、継父にDVを受けながらもアンソニー・ロブレスさんを支援し続けるという、立派な女性像になっています。
今作は、製作当時ジェニファー・ロペスと結婚していたベン・アフレックと、ベンの親友マット・デイモンの共同プロデュースによるもの。
「この母親役なら、ワシの嫁ジェニファー・ロペスをアカデミー賞の助演女優賞ノミネートに引っ掛けられるんじゃないか?主演女優賞とまで贅沢言わない。助演女優賞くらいはいけるんじゃないか?」と、そんな腹積もりが感じられるプロデュースになっていますね。
嫁へのご奉仕ですよ!
同ジャンル映画「しあわせの隠れ場所」(2009年)でアカデミー賞を受賞したサンドラ・ブロックみたいな形式ですよ!
ジェニファー・ロペス自身のプロデュース作品では絶対に見せない芝居ですね、貧乏路線は。
自分のプロデュース作品では、ひたすらセレブでキラキラした映え姿しか見せませんのでね。
また、ベン・アフレックとマット・デイモンの共同制作でアカデミー賞まで受賞した「アルゴ」(2012年)等を含め、近年共に仕事をしてきた編集技師ウィリアム・ゴールデンバーグを、今作では監督に大抜擢。
初監督作品ですよ。
「ウィリアム・ゴールデンバーグには世話になったし、評価されるに決まっている今作の監督で、ひと花咲かせてほしい」という腹積もりまで感じられました。
まあまあのファミリー・ビジネスであり、しかも必ずウケる感動ネタという、ベン・アフレックとマット・デイモンらしい、とっても手堅い感動ビジネス映画になっていましたね。
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