「ハッチング 孵化」★★★ [映画日記]
フィンランド製のホラー作品です。
てっきり、北欧らしい、のどかなメルヘン調の怪談かと思ったら。
かわいいオバケが出てくるのかと思ったら、ムーミンみたいな!
まあまあ割と、しっかりとした本格的なホラーでした。
立派に気色悪ーい!
北欧風だからと言って甘くはないものですね、欧風カレーみたいに!!
監督は、「長編映画を初めて手がけた」という女性らしいのですが。
確かに、女性らしい感性が生きている世界観でした。
主人公は12歳の女児ティンヤ。
いかにも北欧風の、金髪で、白い木綿ワンピを着た、かわいい娘。
絵に描いたような北欧ガールですよ!
「やっぱり、北欧ガールは白い木綿が似合う〜」と思いながら観ていました。
ティンヤには、父・母・弟がいて、合計4人家族。
お家のインテリアも北欧風で、シンプルでオシャレ〜。
パッと見は、キラキラした笑顔でいっぱいの、幸せな家族なのですが、実は…という設定。
ティンヤは体操選手で、大会を目前に控えている、という「スポ根」娘!
母が、自分が叶えられなかった夢を娘に託して、鬼のシゴキ!!
鉄棒でクルクル回ってジャンプするも、着地に失敗するティンヤに、母が言います「もういっぺん」。
再び着地に失敗するティンヤに、母が言います「もういっぺん」!
ああ、何度も繰り返される「もういっぺん」という名の地獄!!
この「母娘の愛憎」をベースに、さらに「母娘の愛憎」をモチーフにした怪物が、大きな卵から生まれてくる、という趣向になっています。
怪物のデザインが、ひとつもかわいくなくてビックリです。
北欧にも、かわいくないデザインのものが、あるんですね〜。
この怪物のキャラクター商品は、売れないと思う〜。
LINEのスタンプにしても、誰も使わないと思う〜!
怪物の正体は一体、何だったのか…、そんな深いことを考えるのも楽しい物語でもあるのですが、面倒臭いので考えるのはやめました。
劇中には、母の浮気相手も出てくるのですが、意外にも浮気相手が良い人〜。
フィンランドには、素敵な不倫相手がいるものですね!
母が愛する娘に苛立ったり、母を愛しながらも拒まれる娘、などの描写で、母娘の闇がクッキリ。
母娘のすれ違いですよ!
こういう物語は、男性より、女性が演出した方が説得力が出るのでしょうね。
母も娘も、ビジュアルはオシャレな美人なので、醜い怪物との対比がスゴかったです。
ソフィア・コッポラ meets スティーヴン・キングという感じの仕上がりが新鮮でした。
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