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「ダムゼル/運命を拓きし者」★★★ [映画日記]

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Netflixが生み出した若手スターがミリー・ボビー・ブラウンですけども。

 

「うりざね顔」の美少女ですよ!

 

10代とは思えぬ貫禄の持ち主で、実生活ではジョン・ボン・ジョヴィ家の嫁という称号まで手に入れてらっしゃいます。(2023年時点)

 

そんなミリーが、2024年3月、新たなNetflixオリジナルの主演映画を引っ提げて登場〜。

 

厚い化粧で出てきたヨ!

 

塗りこんで来なすった!!

 

作品の世界観は、ドラゴンが出てくるようなファンタジーで、ミリーは貧乏家から王族に嫁ごうとする少女役。

 

「玉の輿」ですよ!

 

貧乏家にしてはメイクをバッキバキに決めていましたが、玉の輿に乗ろうとするのだから、気合いの厚化粧だったのかもしれません。

 

勝負メイクですよ!

 

幼妻として、姫として、これからがんばっていこう、と明るい未来を描く主人公ですけども。

 

結婚したとたん絶望のどん底に落とされてしまう、という展開です。

 

キラキラ・ファンタジーから、絶叫サバイバルへの転換が見事なコントラストを与えています。

 

全身傷だらけで、暗い谷底をあてもなくさまよいながらも、希望をみつけ、なんとしてでも生き抜く決意をするという、時代に合った強いヒロイン像になっていますね。

 

元々、キラキラした役は似合わないミリー。

 

出世作のドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でも、大人キャラにめちゃめちゃ痛ぶられて人気が出ましたから。

 

天才ドM女優なんですよ!

 

今回も、そういうことは分かってらっしゃる。

 

泣いて、わめいて、地面を這いつくばって血を流し、泥臭い芝居を一通りやって、しっかりとミリー独自のオーラを出していたと思います。

 

Netflixオリジナル映画として、ミリー主演映画として妥当な出来映えかと思われます。

 

今作はミリー自身がプロデュースを兼任している、とのこと。

 

若干10代で、ハリウッド映画の製作に口を出せる、ってスゴイです。

 

「私はなぶられて輝くタイプ。そういう脚本にしてほしい」とか要望を出しているのだとしたら、客観性あるし、たいしたもんですね。

 

ついでに「私の化粧は厚くしたい。私だって化粧映えする」と要望を出したのなら、それは「かわいいもの」だと思って受け入れてあげてもいいかもしれませんね。

 

主人公の継母役が、なんとアンジェラ・バセットで、義母役がロビン・ライトっていうのも迫力満点。

 

アンジェラ・バセットとロビン・ライトに挟まれて物怖じしない19歳、って、流石ミリー・ボビー・ブラウンだと思いました。

 

 

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「俺らのマブダチ リッキー・スタニッキー」★★★ [映画日記]

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「グリーンブック」のピーター・ファレリー監督 × ザック・エフロン主演 というおもろい2人が放つ!
 
茶の間にお届け!!
 
amazonプライム・ビデオのオリジナル映画として、2024年3月に配信されたコメディ作品です。
 
2人のコラボは、「史上最高のカンパイ! 戦地にビールを届けた男」(2022年・appleTV+で配信)以来ですね。
 
これからはチョイチョイ組むのかもしれません。
 
思惑一致のビジネス・パートナーですよ!
 
ザック・エフロン側としては、得意のコメディ路線で評価される可能性がありますしね。
 
あの子に期待できるんですよ、賞レースへの食い込み!
 
ザック演じる主人公を含む、幼馴染みの仲良し男性グループは、幼少の頃から「リッキー・スタニッキー」という架空の人物を作り上げ、社会人となった現在も、物事の言い訳として使っている、という基本設定。
 
悪いことは「リッキー・スタニッキーのせい。全部あの子の仕業」って言うんですよ。
 
そんな生活を送っていたある日、彼らの妻やパートナーたちが「リッキー・スタニッキーは実在するのか」と疑問を持ち始める、という展開。
 
外野がうるさくなってくんの!
 
役者を雇い、公の場で彼を「リッキー・スタニッキー」として立ち振る舞わせるのですが。
 
「リッキー・スタニッキー」役を演じているジョン・シナさんが怪演~。
 
オハコのボケ演技が炸裂~。
 
本当にバカが似合う〜!(←ホメ言葉)
 
金欠ゆえに、ゴミ袋がバッグ代わり、アル中でブルブル震え、小便を漏らしながら話をする変人役がハマってる~。
 
しかし、公の場では、完璧に「リッキー・スタニッキー」を演じてみせる切り返しも鮮やかで楽しい~。
 
今回のジョン・シナさんは、ザック・エフロンを食ってますね!
 
エフロン殺しですよ!!
 
今回ザックが演じた主人公は「トラブル巻き込まれ型」で、演技も受け身だったため、ジョン・シナさんの後ろに隠れてしまいましたね~若干。
 
コメディ要素も申し分なく、時にダーク、時に切ないテイストで、コメディなのに「妙な深み」がありました。
 
ただのバカじゃないんですよ!
 
幼少時代から架空の親友をでっち上げて生きている、っていう設定自体スリラーですしね。
 
下品なネタも盛り込むし、話が横道にそれたらそれたで、しばらく横道にそれたまま物語が進むところにも余裕を感じました。
 
コメディ界の巨匠となったピーター・ファレリーさんらしい作品でしたけども。
 
今にして思えば、同監督作「グリーンブック」(2018年)に、出演者としてヴィゴ・モーテンセンやマハーシャラ・アリさんが集結し、作品の評価も高かった、って奇跡ですね。
 
ザック・エフロンも「数打ちゃ当たる」と思って、がんばってほしいです。
 
 


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「デューン 砂の惑星 PART2」★★★☆ [映画日記]

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監督のドゥニ・ヴィルヌーヴさん。
 
あのおじさん!
 
脂が乗り切っていますね〜。
 
まるで秋口の秋刀魚ですよ!
 
地球とは別惑星を舞台にしたSF大作シリーズの第2弾ですけども。
 
とりたててお話は、そんなに面白くありません。
 
演出もめちゃめちゃ辛口で、下手すれば「売れないカルト映画落ち」するところなのですが。
 
しっかり娯楽の香り漂う〜。
 
オールスター総出演のスーパー・エンターテインメントに見えているところが流石です。
 
クライマックスの戦闘シーンのBGMが、ドゥニさんお得意の「ドヨ〜〜〜ン」とした音使い。
 
他のSF映画だと、もっとノリノリのBGMを使うところを、あえてのドヨ〜〜〜ン!
 
ボヤ〜〜〜ンとさせんの!
 
こんなアーティスティックで、観客を突き放す演出をしながら、ハリウッド製SF大作として稼げるんだから、本当にスゴイ実力とセンスだと思いました。
 
背景やメカなどのデザイン的なものも高クオリティで、とってもアート。
 
この映画を一言で言うとしたら「そんなに面白い話ではないけれど、間違いなくステキ。世界レベルでステキ」だと思います。(←一言に収まっていませんか)
 
物語を引っ張るキャラクターを演じているのが、若手スターっていうもの良いですね。
 
フレッシュ20代ですよ、加齢臭皆無!
 
別な邦題「若さの惑星」で良いと思う〜!!
 
主人公で、公爵家の後継ぎポールが、さらなる成長を遂げる物語。
 
本編では女子も抱いてますしね!(←推測)
 
今作で死んでしまうキャラクターもいるのですが、新規加入してくるキャラクターも続々。
 
フローレンス・ピューやレア・セドゥ、アニャ・テイラー=ジョイまで出てきて、ゴージャス感がすさまじいです。
 
そんな新規キャラクターの中で、最も異彩を放っていたのが、敵の若手を演じたオースティン・バトラーですね。
 
ハゲヅラ、眉なし、で、見た目からヤル気マンマン!
 
手刀を持つと、刃先をベロで舐めたりして、「まるで佐藤浩市だよね」と思いました。
 
オースティン・バトラーが出てくるパートは、時々モノクロ映像になるところが、また、たまりません。
 
ハゲヅラ、眉なしでありながらバカに見えてません。
 
めちゃめちゃクールに決まっていました。
 
シリーズの名脇役と言っていい、巨大な砂虫さんにも、新たな見せ場が用意されていました。
 
あの巨大な砂虫さんの背中に乗って、移動する技術が本格的に登場〜。
 
人間が「虫乗り」するんですよ!
 
幼い砂虫さんは、全長が2〜3メートル程度なのですが。
 
「どじょうすくい」をするおばさん、みたいな人が出てきて、砂の中から小さい砂虫さんをすくい上げ、窒息させて仕留める、という場面が頭から離れません。
 
虫狩りのプロなんですよ!
 
「おばさん」っていうのが良いんですよね〜、「海女さん」でも見てるみたいで〜。

 

 

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「スペースマン」★★☆ [映画日記]

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2023年にハリウッドで最も稼いだ俳優さんて、マーゴット・ロビーでもトム・クルーズでもなく、アダム・サンドラーなんですって。

 

アダドラなんですってよ!

 

なんで!?(←失礼)

 

どうやらNetflix作品の製作・出演を多くこなして稼いでいるようです。

 

配信富豪ですよ!

 

上手に生きている人ですよね〜あったま良い〜。

 

今作は、NetflixオリジナルのSF映画で、アダドラが主演。

 

てっきりコメディ調の映画かと思って再生しましたけども。

 

まさかの笑いなし。

 

あのアダドラが二コリともしない!

 

ムスッとしたままの、ムッツリSF!!

 

アダドラから、さらなる魅力を引き出そうとするマジ作品になっていました。

 

アダドラ演じる主人公は、チェコスロバキア製の宇宙船内で半年以上も1人で業務をこなしている男性。

 

地球に残した妻は心を乱していて、離婚寸前という基本設定です。

 

そんなある日、主人公は未知なる異形の生物と接触し、己の深層心理と向き合う、というような内容かと思います。

 

アダドラ主演でありながら、まさかの神秘系・哲学映画ですよ!

 

離婚問題は「宇宙の始まりと終わり」に関連づけていて「なんとも壮大な夫婦関係になっているね」と思いながら鑑賞いたしました。

 

「キャスト・アウェイ」や「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」等を思わせる、漂流系・自己啓発路線に近い感触でしょうか。

 

米国人って、本当にこういうワケの分からないやつが好きですよね~。

 

今作は映像や演技のクオリティは高いですけども、とりたててお話は、さほど面白くはないかと思います。

 

こんな地味なストーリーで、企画書に映画化OKのハンコを押すのだから、Netflixさんて懐が深いな~と思って驚いています。

 

どんな高額な請求書も受け取って、すぐに振り込んでくれそうですよ!

 

妻役は、なんとキャリマン!!(←キャリー・マリガン)

 

今作でのキャリマンは、神経質な演技を見せていましたけども。

 

ハマりますね、神経質!

 

元々細身のキャリマン、「神経すり減らして痩せちゃった感」を自然に出していたと思います。

 

その他のキャストはレナ・オリン、イザベラ・ロッセリーニ、声の出演でポール・ダノという。

 

豪華キャストが集結していることにも、アダドラのタレント・パワーを感じました。

 

アダドラって、ハリウッドの影の番長「裏番」なのだと思いました。

 

 




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「ブルービートル」★★★ [映画日記]

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スーパーマンやバットマン等、有名ヒーローを輩出したDCコミックスから新ヒーローが爆誕~。

 

若手がデビュー!

 

それが、甲殻虫型のメカを体内に取り込んだ男子、「ブルービートル」ですよ。

 

作品は予算をつぎ込んでいるようなのですが。

 

映画会社の上層部により、日本では劇場未公開という扱いに。

 

続編も無いという、デビューした直後に引退しちゃった珍ヒーローになってしまいました!

 

主人公の青年ハイメ役には、ドラマ「コブラ会」でおなじみのショロ・マリデュエニャくんが大抜擢されましたけども。

 

せっかく「コブラ会」から映画界に進出できたのに、主演映画がシリーズにならず、一発止まりとは残念~。

 

また「コブラ会」に戻るしかないんですよ、出戻り!

 

どの面下げて「コブラ会」の撮影現場に戻れというのでしょう。(←本人、気にしてないかもよ)

 

「ブルービートル」の内容は、まあまあ面白いです。(←まあまあかい)

 

主人公の青年ハイメは、大学を卒業したばかり。

 

就職活動中という設定で物語がスタート。

 

背広で面接に行って始まる、大卒ヒーロー映画ですよ!

 

そこから主人公がスーパーパワーを手に入れ、初めてヒーロー化するところから描かれています。

 

最初っからやってらっしゃいます、ご丁寧に!

 

青年ハイメを取り巻く家族が、騒動に巻き込まれながらも大活躍。

 

ワイワイ、ガヤガヤしているコメディ調のファミリー・ドラマが繰り広げられていて、同ジャンル作品では「シャザム!」的なノリと展開かな、と思いました。

 

メインの出演者は知らない俳優さんばかりでしたけども。

 

悪の親玉役だけはザンスーを配置!(←スーザン・サランドン)

 

一点豪華主義ですよ!!

 

浅い人物像の悪役でしたけども、髪も化粧もバッキバキに決めてきたザンスー。

 

若見えしてますよ!

 

そして結局、名も知らぬ俳優が演じる安キャラクターにヤラれてしまうザンスー!

 

「よく、こんなアホみたいな役を引き受けたね」と思いました。

 

よっぽど札束を積まれたのかもしれません、目の前に!

 

しかし、こういう映画に1人は大物俳優って必要なものですね。

 

ザンスーが居るのと居ないのでは、映画のレベルが違ってくると感じました。

 

もしもこの映画にザンスーが出ていなかったら、「特撮・戦隊もの」臭さが前面に出ていたような気がします。

 

「ザンスーが引き締めた」と思います、作品内容小ジワタルミも!

 

 

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「アメリカン・フィクション」★★★ [映画日記]

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2024年の米アカデミー賞に、5部門もノミネートされていた注目作です。
 
日本では劇場未公開のまま、2024年2月にamazonプライム・ビデオで配信されました。
 
賞レースのタイミングで配信するとは、amaさんグッジョブです!
 
思っていたより安い感触の作品でしたが、随所で笑える、知的な喜劇ですね。
 
これで5部門ノミネートは立派なもんですよ。
 
「期待してない子がテストで100点取った」ようなもん!(←失礼)
 
今作の演技で、米アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたジェフリー・ライトは、売れない作家役。
 
小説を書いて出版社に持って行っても「アンタ黒人なんだから、もっと黒人っぽい本を書けないか?例えば主人公は、怒りを抱えながらラップを歌い、最後は白人警官に射殺されてしまうようなやつ。みんなそういうのを求めてるんだよ」と突き返される始末。
 
収入源が必要な作家が、「いかにも黒人男性が書きそうな、コテコテの黒人小説」を書いてみたら大ウケとなる、という展開です。
 
ヤケクソ行動が妙な結果を生み出すんですよ、ビンタ事件のウィル・スミスみたいに!(←もう忘れてやんな)
 
人種ネタ満載の黒人映画ではあるものの、これまで観てきた同ジャンル映画とは全く印象は違いますね。
 
ガツガツしない、大人しい子!
 
ほとんどの黒人キャラクターはインテリ高収入で、ファッションはきれいめ。
 
当然、暴力皆無だし、主人公なんて若ハゲ・陰キャですから!
 
舞台が文芸界だけに、文学の引用も多く、あえて人物間バトルがあるとしたら「激論を交わす」程度。
 
黒人×文芸コメディという構図が新鮮すぎる~。
 
まずは、「そうなんだ~。黒人って、目をギラギラさせながら銃を持ち歩き、鼻からドラッグを吸い込んでいる人ばかりじゃないんだ~」と思いました。(←すみません、海外ドラマの見過ぎで意識に偏りが)
 
そんな人種ネタがありつつ、「映画やドラマを製作する、白人男性社会のハリウッドは、バカみたいな原作本しか取り上げない」という、エンタメ界に向けての風刺もございます。
 
結局、文芸界もエンタメ界も、うわべだけの薄っぺらい世界が永劫続いていく、というような、令和の一般黒人が抱えるユル~い絶望感がたまりません。
 
原作小説は2001年に発行されたようですけども。
 
作品テーマは2024年の世情にピッタンコ~。
 
うまいこと時代の流れに乗せたよね、と思いました。
 
この、オフビート感ある知性派黒人路線で、ドラマを3シーズンくらい一気見したい気持ちになりました。
 
ジェフリー・ライトを、もっと見たくなる日が来ようとはねぇ。
 
 
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「サンコースト」★★★ [映画日記]

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「Disney+」オリジナル映画として、2024年2月に配信された青春作品です。

 

主演は、映画「ダンボ」(2019年)で女優デビューし、女優タンディ・ニュートンの実娘さんとしても有名なニコ・パーカーちゃん。

 

デズニーさんお抱えの二世さんですよ!

 

「さては、ニコちゃんを売り出すための映画かな。テコ入れかな、事務所の」と思いながら再生~。

 

過去のハリウッド映画においても、「17歳のカルテ」や「きっと、星のせいじゃない。」等、「青春×医療=命のきらめき」という構図で、出演している若手女優が高評価を得てきましたけども。

 

今作も、それに近い感触でしたね。

 

ニコちゃんが演じるドリスは、地味でウブな女子高生。

 

ネンネですよ!

 

父親は早くに亡くなっていて、母親は末期がんで余命わずかな兄に付きっきり。

 

「誰も自分にかまってくれない」という苛立ちを抱える娘ドリス。

 

かまって症候群ですよ!

 

度々母親と衝突する、という基本設定になっています。

 

そんなドリスが、クラスの「イケてるチーム」に加わろうと、ドキドキしながら話しかける場面などは、観ているこちらも緊張~。

 

タイミングを見計らっているんですよ、釣り竿を上げる時みたいに!

 

「イケてない子」が「イケてるチーム」に加入するって、大変なことですからね、一大事。

 

Huluに加入するのとは訳が違いますからね!

 

自宅や学校でいろんなことがあって、やがてドリスは成長していく、というお話になっています。

 

仕事、介護、子育てという忙しさにキレ気味ながらも、息子が亡くなる前提で、腹をくくった感のある母親を演じたローラ・リニーが、貫禄の演技を見せていましたね。

 

もはやローラ・リニーが主役といっていいくらいですね、息子が亡くなる前提の母親役ですから。

 

ローラ・リニーがニコちゃんを食った感が漂っていました。

 

他の共演者では、医療事件の抗議デモに参加している中年男性役として、ウッディ・ハレルソンが登場~。

 

これまでも、数多くの若手ヒロイン映画に名脇役として出演しているウッディ・ハレルソンですけども。

 

なんというか、優しそうというか、本国では父性を体現できる人材なのかもしれません。

 

もはや、若手女優の見守り専門男優ですよ!

 

物語の中では、めちゃめちゃ大事件が起きるわけでもないのですが、だからこその生活感とリアリティがございました。

 

怒った母親が娘を携帯電話で呼び出すときに、「至急、帰ってきなさい。今、お兄ちゃんが死にそうだから」と留守電。

 

後になって「死にそう」というのが虚言だと知って、娘が激怒する場面には大共感。

 

親って、留守電メッセージが大げさですからね。

 

今作は、どうやら監督・脚本を手掛けたローラ・チンさんという人の、自伝的内容っぽいです。

 

母娘の愛憎を今ふうに表現していたと思います。

 

 

 

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「Lift リフト」★★★ [映画日記]

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近年、Netflixオリジナル映画での出演が目立っているケビン・ハートが、またしても!

 

今年もNetflixオリジナル映画に登場〜。

 

食わせてもらっていますよね、あすこの会社に〜!

 

2024年1月に配信された作品ですけども。

 

ケビン・ハートが、まさかのアクション大作の主演ですよ。

 

スゴ腕のアート窃盗団を率いるリーダー役がケビン・ハート。

 

もう一度言います、下っ端じゃありません、リーダー役です。

 

警察の依頼で、金塊を盗むことになる、という、ミッション遂行型の物語になっていますけども。

 

どこか粋な空気が漂うあたりは「オーシャンズ」シリーズ風。

 

派手なアクションは「ミッション・インポッシブル」風。

 

監督は「ワイルド・スピード ICE BREAK」の人ということで、チームワークや荒唐無稽の仕掛けは「ワイスピ」風。

 

アクション大作の美味しい部分をつまんできてますね。

 

そして、ケビン・ハートが、まるでハリウッド・アクション・スター風なんですよね〜。

 

信じられないけれど、バカやんない!

 

「ちょいと、何を気取っているんだい。早く笑わせておくれよケビン!」と思いながら鑑賞続行。

 

いつか笑わせてくれると信じて待っていましたけども。

 

最後の最後までクールにツン!

 

二枚目(風)の男前(風な)役にビックリしました。

 

そんなケビン・ハートを追う捜査官役がググ・バサ=ローで、「ケビン・ハートとは、かつて数日交際していた関係」という、気まずい仲。

 

「抱いた仲」っていう!

 

これは何でしょうか?

 

ケビン・ハートはプレイボーイ・キャラという意味でしょうか?

 

ケビン・ハートは今作のプロデュースも兼任しているということで。

 

「俺もそろそろハリウッドスターの仲間入りをしたい。ウィル・スミスみたいになりたい」とでも思っているような?

 

あるいは「俺も、いっぺんくらいは男前の主人公を演じてみたい。いっぺんくらい贅沢言ってもいいだろう」というような。

 

かわいいわがまま映画に仕上がっていたと思います。

 

劇中で、夫婦を装うケビン・ハートとググ・バサ=ロー。

 

このシーンで、「成功した男性がステータスシンボルにするために結婚した相手」という意味で「トロフィーワイフ」という言葉を使用。

 

「トロフィーワイフ」という言葉を初めて知ったのですが。

 

大昔から存在する言葉らしいですね、勉強になりました。

 

「Lift リフト」というタイトルは忘れそうですが、「トロフィーワイフ」はずっと覚えておこうと思います。

 

 


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「ARGYLLE/アーガイル」★★★ [映画日記]

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ヘンリー・カヴィル主演作のようで。
 
実はヘンリー・カヴィルは脇役、っていう変化球。
 
ばかされました!
 
作品ジャンルは「スパイもの」ということで、物語も二転三転、常に観客を騙し続けてくれました。
 
脚本家は、きっとキツネかタヌキですよ!
 
アクション場面も派手で、とっても楽しかったです。
 
主演は、なんとブライス・ダラス・ハワードですよ。
 
今作は、ブライス・ダラス・ハワード主演映画史上、最大の大作かと思います。
 
ブライス・ダラス・ハワードは、今作を最後に引退しても良いくらいの、でっかい花火を打ち上げましたよ!
 
劇中にて、スパイ小説「アーガイル」シリーズの著者役がブライス・ダラス・ハワード。
 
小説の内容に真実味がありすぎて、ブライス・ダラス・ハワードが悪者に命を狙われる、というような展開です。
 
「アラフォー独身女性の冒険譚」という立ち位置が新鮮〜。
 
よくぞ作り上げたと思います。
 
ひと昔前なら、「アラフォー独身女性の冒険譚」という大作映画は、企画の段階でボツになっていたでしょうね。
 
しかも相手役はサム・ロックウェルということで。
 
ヒロインに恋する相手はオッサンっていう!
 
お話は、とくにキラキラしているわけでもない大人の男女が回している、というのも特徴かと思います。
 
人種、性別、いろんな多様性が問われている昨今ですけども。
 
アクション超大作のメイン・キャラが、キラキラしていない40歳以上でもいいじゃない、っていう多様性に到達!
 
時代の成熟味を感じました。
 
ヘンリー・カヴィルが演じている人物は、小説内の登場人物「アーガイル」だったんですね〜。
 
劇中劇の人物ですよ!
 
スチール写真でのヘンリー・カヴィルは髪型がとっても変なのですが。
 
剃り込んでんの、ビーバップ・ハイスクールみたいに!(←死語)
 
小説内の登場人物だから、マンガみたいな髪型をしていたんですね〜。
 
製作・監督は「キングスマン」シリーズを仕掛けたマシュー・ヴォーンということで。
 
マシュー・ヴォーンって、実の妻がスーパーモデルだし、なんというか、上昇志向が強いというか〜。
 
商売に貪欲なタイプの映画作家かと思います。
 
映画作家と富豪という、二足のわらじを履きたいタイプですよ!
 
今作も「3部作想定」とのことで、「どうしてもスパイ・シリーズで金字塔を打ち建てたいんだね」と思いながら今作も鑑賞いたしました。
 
今シリーズは、スーパーマン役を降りたヘンリー・カヴィルの、新たな稼ぎ口になるようです。
 
「やっと再就職先が決まった友人」を見ているような気持ちにさせるヘンリー・カヴィルでした。
 

 

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「ネクスト・ゴール・ウィンズ」★★★ [映画日記]

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「スポーツ実話もの」ですね、「クール・ランニング」(1993年)みたいな。(←古いです)
 
クライマックスは試合で盛り上げるタイプです。
 
これは誰でも、簡単に、さわやかに、微笑ましく感動できる作品かと思います。
 
描かれている種目はサッカー、お国は米領サモアです。
 
ただの「サモア」じゃありません、米領なんです!
 
漢字+カタカナ表記の名称が不思議な感触でした「青山テルマ」的な。
 
2001年のワールドカップ予選で、31対0という屈辱的な負け方をした米領サモアのサッカーチーム。
 
31点て、かわいそうだけど笑っちゃった!(←失礼)
 
「なんとか公式試合で1点取りたい。100点はいらない。1点でいい」という、超ささやかな願望の元、米領サモアのサッカーチームは、アメリカから左遷された白人コーチの指導を受ける、という展開です。
 
米領サモアの風土や風習が、のどか〜。
 
感触はハワイですよ。
 
米領サモアというか、これはもうハワイでいいのでは?!(←イメージが貧弱ですか)
 
海など、大自然に囲まれた環境で、スポーツ試合や練習をする土地じゃないですね。
 
ダラダラ過ごす土地ですよ、一日中!
 
のんびりしたリゾート志向の民族性を持つチームメンバーが、どうやって荒々しいサッカー試合で点を入れようとするのか、そんなところが見どころかと思います。
 
練習場面もありますが、めちゃめちゃ厳しい感じでもないし〜。
 
試合当日だというのに練習してそうもない新メンバーが突然加入するし、なんかやっぱり牧歌的〜。
 
結局、どうやっても米領サモアにサッカーは向いていない、というお話だったような気も。
 
異文化を持つ人間たちが、ぶつかり合いながら人生を前に進めていく、というような作品テーマになっていたと思います。
 
とってもふんわりした、かわいいスポ根映画でしたね。
 
主人公で、アメリカから来たコーチ役はマイケル・ファスベンダーですよ。
 
これまでの出演作では冷酷な役か、アンドロイド役がオハコのファスベンさんでしたけども。
 
ロボット面のイケメンなんですよ!
 
今作では人間味が全開〜。
 
喜怒哀楽を全身で表現なさるファスベンさんが新鮮。
 
新味ですよ!
 
基本的に堅物キャラクターのファスベンさんが、牧歌的な米領サモア現地住民からユルくイジられる場面が楽しいです。
 
つつかれるんですよ!
 
「イケメンいじり」タイプのコメディ路線になっていて、それがまたファスベンさんの魅力を増し増し、盛り盛りにしていました。
 
こんな役を引き受けてくださるのだから、ファスベンさん本人は良い人なんだと思います。
 
テレビ女優のモス子も出ているから、何の役かと思ったら。(←エリザベス・モス)
 
なんと、ファスベンさんとは別居中の妻、という大役〜。
 
ちっちゃい役でしたが、この役は引き受けないともったいない。
 
ファスベンさんの抱かれ役なのだから!

 

 

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