「ビューティフル・ボーイ」★★★ [映画日記]
出てますヨ、あの子が。
シャラメだかザラメだかニャロメだか言う子!
「君の名前で僕を呼んで」での演技で、なんとアカデミー賞主演男優賞にまでノミネートされてしまったティモシー・シャラメが出ている作品ですけども。
今回のシャラメは、ドラッグの味を覚えてしまった少年ニック役。
薬にハマってんの、どハマリ!
演技力が必要な役でしたけども、とても上手にこなしているシャラメ。
ついでに、幼児時代のシャラメを演じた子役も、見た目をシャラメに寄せている役作りが良かったです。
「小シャラメ(しょうしゃらめ)」という感じでした!
そんな少年ニックと、彼を救済しようとする家族の交流を描いた、実話ベースの物語なのですが。
ああ、終わりなき薬物依存との戦い!
さすが実話は甘くない。
しょっぺぇ人生!
何年経ってもニックは立ち直れません。
依存のしつこさもスゴイもんだわな、フライパンの油汚れのしつこさ並みに!…と思いました。
薬物摂取時はキレやすくなるニック。
ニックの言葉が荒くなると、父親が言いますよ「それはお前自身の言葉じゃない。薬が言わせているんだ」と。
まるで、悪魔が憑いた子への言葉のよう。
薬物=悪魔というような構図が面白いです。
父子の談話シーンは「エクソシスト」みたいなノリで、観客を引き付けておりました。
ニックの父親役はスティーヴ・カレルでしたけども。
普通の父親役が似合ってますな〜。
後ろ姿とかの佇まいが、とくに普通の父親感。
スティーヴ・カレルって、黙って立ってれば、とても普通っぽいんだな、と思いました。
それにしても、スティーヴ・カレルの子種からティモシー・シャラメが出来るとは…。
アンタんちって、トンビが鷹を生んだお宅だわな!…と思いました。
子が美形であるがゆえに、薬物依存中の悲壮感が引き立っておりました。
またシャラメの体は細いし、薬物依存役が似合ってしまうタイプの美形だな、と思いました。
プロデュースはブラッド・ピットなのですが。
ヤリ手のお方ですよ、かつてはアンジェリーナ・ジョリーも抱いてたという!
もしもブラピが「依存症の子をティモシー・シャラメに。父親をスティーヴ・カレルに」と、キャスティングに口を出していたとしたら、たいしたセンスだと思いました。
スティーヴ・カレルの後妻役はテレビ女優のモー子でしたけども。(←モーラ・ティアニー)
この後妻がとっても良い役で、この人が実在しているなら、とても立派なお方だと思います。
旦那の連れ子を愛し、連れ子が依存症になった後も家族として付き合いますよ。
自分が生んだ実の子を、気持ちのよい態度で連れ子と触れ合わせてますし。
依存症になった連れ子への出費も惜しまない!
これは結構なガマン量!!
普通なら途中でキレて「連れ子とは縁を切りたい騒動」が始まると思う〜。
後妻界でもトップクラスの後妻でした。