「バイス」★★★☆ [映画日記]
米国でジョージ・W・ブッシュ大統領が政権を握っていた頃の実話ですよ。
地味〜に働いていた副大統領ディック・チェイニーさんに焦点を当てた物語。
知られざる人材にスポットライトを当てたわい、ピンスポを!
どうにも印象が薄い副大統領ですけども。
目立たない子!
そんな子の野心と権力について描かれた内容なのですが。
表現が極端!
彼の人生の、うさんくさい部分だけ抽出しております。
伝記映画は美談を集めがちですが、そんな気遣い、ねぎらい、ホメ言葉は一切ナーイ!
ディック・チェイニーさんへの嫌味100%〜!!
こう、うさんくさい部分だけ集めて見せられると、ものっすごく歴史的な悪人に思えてきて…なんか、めちゃめちゃオモロかったです。
元「サタデー・ナイト・ライブ」のライター、アダム・マッケイ監督らしい茶化し方。
毒を込めたおイジり方!
純度の高い皮肉映画に仕上がっておりました。
「そこまでやるか」と思ったのは、ディック・チェイニーさんの奥さんについても「結構な野心家。ヤリ手ババア」として描かれているところ。
2人はコンビ、腹黒夫妻!
ついでに、娘もまずまずの野心家なんですよね〜。
よく、チェイニー家が映画化を許可したな〜と思うくらい、一家のイメージは悪かったです。
若い頃のディック・チェイニーさんは冴えないろくでなしなのですが、嫁に叱られて一念発起。
政界に入りこみ、チャンスを掴んで副大統領までのしあがり、戦争で指揮をとるまでになる様子は、さながらダークなサクセス・ストーリー。
まるでダースベイダー物語!
観ていると、地味な男なのにしたたか、というキャラに惹きつけられてしまいます。
ディック・チェイニーさん自身に、映画的なエンタメ感を感じてしまうところが不思議でした。
ディック・チェイニーさん役を演じたクリスチャン・ベイルが最高〜。
役作りで激太り!
ハゲ・デブ・メガネオヤジと化しているではないか!!
イケメンなのにねぇ、黙って座って、すましていれば。
この演技でアカデミー賞にノミネートされていたものの、「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリー役を演じたラミ・マレックに受賞を持っていかれて残念でした。
個人的にはクリスチャン・ベイルの方がスゴイと思う〜。
でも仕方ないか〜、フレディ・マーキュリーに比べたら、ディック・チェイニーという素材は、あまりにも地味だもんねぇ。
せめてアンタもゲイならねぇ!
ディック・チェイニーさんの奥さん役はエイミー・アダムスでしたけども。
髪をショートにしている姿は魔法使いサリーちゃんみたいでした。(←古いですか)
ブッシュ大統領役はサム・ロックウェルでしたけども。
今回のサム・ロックウェルはハマってなかったな〜。
ブッシュ大統領の顔をよく知っているから、一層似てないと感じてしまうのであろう。
目や鼻をセロテープか何かで止めて、顔面をアレンジをしたほうが良かったかもよ、清水アキラの芸みたいに!