「ブラック・クランズマン」★★★ [映画日記]
時代は1970年代。
アメリカで本当にあった事件の裏側を描いております。
刑事が白人至上主義団体KKKに潜入して、黒人への暴力事件を防ごうとするお話。
KKKって聞くだけで怖くて、イヤな気分になりますけども。
作風は、あらまビックリ、明るいヨ。
KKKが出てくるのに、ちょっと笑えますよ、KKKだけにケケケケケケと!
軽快な調子の作品なのですが、根底には「差別は無意味で、バカのやること。」という、怒りのメッセージがしっかりと込められております。
これは「笑いながら怒る」という、竹中直人の芸みたいな作品ですよ!
劇中では「差別主義の白人なんて、肌の色にばかり目がいって、物事の真実は一切見えていない」みたいな、明らかに差別主義者をバカにしている場面が目立ちます。
黒人客が大爆笑する場面なのでしょう。
きっと黒人宅の茶の間はドッカン、ドッカンですよ!
また劇中では、あらゆる場面で黒人が冷静沈着。
大人の対応〜!
差別撲滅の訴え方がケンカ腰じゃないんですよね〜。
暑苦しくない。
汗臭くないんですよ、「レノア本格消臭」で仕上げた洗濯物みたいに!
差別主義者からの弾圧を受け流しつつ、ひょうひょうと抵抗するあたりがスマートでした。
1970年代の「差別実録もの」でありながら、しかもKKKを扱った物語でありながら、ドロつきを抑えた、軽やかさのある深みを実現。
スパイク・リー監督の手腕が久々に爆発した、という感じでしょうか。
作品に取り上げられた事件の顛末が皮肉〜、
まるで脚本家が想像して書いたかのような、海外ドラマ「24」みたいな筋書きにビックリしました。
こんな事件が本当にあったなんてねぇ。
エピローグで流れた映像は、最近の事件。
これまたショッキングな映像でした。
こういう映像を見るたびに、アメリカには行きたくなくなりますな〜。
やっぱり海外旅行なんてしない方がよい。
自宅の茶の間でお膝を抱え、うずくまっていた方がいいわな暗くなるまで!(←それもどうかと)
劇中、コロラドスプリングス署で初の黒人警察官ロン・ストールワース役を演じたのは、ボクちゃんの知らない男優ジョン・デヴィッド・ワシントンなのですが。
なんとこの人、デンゼル・ワシントンの息子さんなんですね。
あそこん家の子ですよ、ボンボン様〜!
ついにハリウッドで活発に動きだしたわい、ワシントン家も!!
ジョン・デヴィッド・ワシントンの顔から、人柄の良さがあふれている。
なんだか、笑わせてくれそうなオーラが出ています。(←芸人かい)
演技もまあまあだし。(←まあまあかい)
今回の愉快な役にピッタリだと思いました。
相棒フリップ役を演じたのがアダム・ドライヴァーですけども。
他作品に出ている時と、さほど変わらぬドライヴァー。
昔の刑事役ということで、長髪と古着は似合っています。
刑事ドラマ「太陽にほえろ」の新人刑事役もいけそう〜。
もう、ニックネームは「古着」でOK〜!