「スパイダーマン:スパイダーバース」★★★★ [映画日記]
何このアニメ。
表現が斬新で若——い!
ボクちゃん、タイムマシンに乗って未来に来てしまったのけ?
未来の映画館で、未来人が作ったアニメを観ているのけ?
ああ、自分はもう年寄り。
玉手箱を開けてしまい、瞬時にハゲてしまった昭和のジジイだわさ!
…そんな、置いてきぼりにされたような気分になる、イマドキの技術とセンスがギュウギュウに詰まっているエンターテインメント作品でした。
アメコミ雑誌のページが、そのまんま動いているような映像に目が釘付け〜。
CGだけど、手描き感覚が生きている。
これまでの米国製CGアニメは、「いかに髪の毛1本1本を再現するか。いかに眼球をツヤツヤに仕上げるか。いかに立体感を再現するか」など、写実的な技術を追い求めてましたけども。
そういう路線とは正反対。
「2Dっていいよね」っていう、二次元路線が逆に新鮮。
雑誌売り上げ低迷の時代に、「印刷物バンザイ」みたいな路線ですよ、「チラシバンザイ」みたいな!
音楽の選び方や使い方も若々しくて、なんかまぶしかった〜。
その若さのエキス、数滴でいいから分けてほしいくらい!
分けてもらえたら、すぐさま顔にハタき込みますから!!
「アベンジャーズ」チームに所属しているはずのスパイダーマンが主人公なのですが。
「アベンジャーズ」を製作している会社とは別のライン。
別会社ですよ!
だから、「アベンジャーズ」チーム内のスパイダーマンとは、全く違うものを作らなくてはならない。
しかし、スパイダーマンらしさは残さなくてはならない…。
そんなハードルの高いオーダーに、見事に対応している制作陣。
クリエイティブ魂を保ちながら、そんな大人の仕事をやりきったところも素晴らしいです。
「アベンジャーズ」との差別化を図るためか、そもそものスパイダーマンである主人公ピーター・パーカーが死んだ世界が舞台ですよ。
大胆に原作をおイジリだよ!
「ピーター・パーカーなんて、もう古い」みたいな、「アベンジャーズ」への対抗心もありながら、しっかりとピーター・パーカーに対してのリスペクトもある。
うまいこと作り上げているお話。
練り上げてんよ!
そして、今回の主人公は黒人の男子中学生、っていうところが小憎らしい。
空前の「黒人もの」ブームに、ちゃっかり便乗〜。
しかも、男子中学生の叔父役声優がマハーシャラ・アリさんだという。
ただいまハリウッドで無敵の助演男優様が、こんなところにまで出たーーっ!
そして、男子中学生がヒーローぶる様子は「中学生円山」をほうふつでした。
キャラクターデザインも自由すぎる〜。
間違いなく、制作スタジオの職場は服装自由〜!
物語の中盤で男子中学生と行動を共にする日系美少女ペニー・パーカーが、日本のアニメ風2次元デザイン。
ペニー・パーカー1人だけセル画風で、浮きっぷりがスゴイです。
ついつい目がいってしまう子。
何か光るものがある子!
彼女の見た目は「じゃりン子チエ」をほうふつでした。(←古いですか)