「グリーンブック」★★★☆ [映画日記]
時代は1960年代。
コンサートをしながらアメリカ南部を回る黒人ピアニストと、イタリア人運転手との交流を描いた、実話ベースのお話ですけども。
黒人ピアニストの方はお堅い感じ。
お坊ちゃまですよ、スネオちゃま!
イタリア人運転手の方は荒っぽいガキ大将タイプ、ジャイアンですよ!!
持ち味の異なる男性2人が、ぶつかりながらも打ち解け合い、自分に足りないものを補い合っていく感じ・・・。
ちょっと「最強のふたり」っぽい構図。
どうもアレっぽい構図!
売れ筋ですよ!!
アカデミー賞の作品賞を受賞した割には、軽快な空気感。
油っぽくないヨ、キャノーラ油みたいに!
いくらでも食えるてんぷらみたいなもんですよ!!
黒人差別を描いてますけども、ライト層までもが気軽に楽しめる感動作、という感じに仕上がっておりました。
監督は「メリーに首ったけ」などのピーター・ファレリーさんですけども。
これまでも、偏見や蔑視という題材を楽しく表現してきたファレリーさん。
今回も「いい子ぶらない差別映画」というスタンスにお変わりございません。
いつものアンタですよ、そのまんまファレリー!
そんなファレリーさん、昨今の「黒人もの」ブームの波に乗り、さらに才能を昇華させた、という感じでしょうか。
ピアニスト役を演じて、アカデミー賞助演男優賞まで受賞したのがマハーシャラ・アリさんですけども。
今回のアリさんは、今まで見てきたアリさんとは全く違う〜。
こんなにハマるとは意外でした、インテリの高飛車演技!
高そうなお洋服が似合っているのも意外〜。(←失礼)
口がお達者なピアニストですが、その人格は繊細で、志は高く、孤独でもある、というところが個性的。
「キャラもの映画」という側面も。
差別社会の真っ只中の現地で「偏見には屈しない」という、ピアニストの態度がすんばらしい〜。
ホテルのレストランにて「トイレを使わせてもらえないなら、もう帰りますから。コンサートはキャンセルですね。もう知りませんからね!」みたいな態度がご立派。
「へ〜、こんな人が実在したんだ〜。すごい」と思いました。
どうしてもマハーシャラ・アリさんが目立ってしまいますが、イタリア人運転手役を演じたヴィゴ・モーテンセンも、これまでの彼のイメージからは想像しがたい「肉体派おやじ」役を演じきっていて最高〜。
あのヴィゴが、乗っけてきたわい、体脂肪!
所帯臭さを出しておりました、ビール腹から!!
そして、一見すると差別意識がないように見える運転手ですが。
物語の序盤では、黒人が使ったコップを捨ててしまうという場面があったり、心のどこかでは差別意識があった、と思わせる些細な場面が良かったです。
当時は、そういう人も多かったんじゃないかな〜、と思いました。
人間の複雑さを感じさせる場面でした。
イタリア人運転手は愛妻家。
顔はかわいいし、よく出来た嫁〜。
地味ながらラストシーンまで嫁が活躍。
アカデミー賞最優秀お嫁賞をあげたくなるお方でした。
- アーティスト: ジーン・オースティン,ナサニエル・シルクレット,ジェラルド・ヒューイ・ラムゼイ,ジョニー・メイ・マシューズ
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2019/02/27
- メディア: CD