「女王陛下のお気に入り」★★★☆ [映画日記]
ついにエマ・ストーンが出したわい、ボイン!
エマ・ストーンってたいした子。
たいした、たまげたですよ!
今回の作品は、エマの野心作だと思います。
2回目のアカデミー賞受賞を狙ってきたわな。
「アカデミーおかわり」って言って、空の茶碗を差し出してる状態ですよ!
今回、エマが演じたのはアビゲイルという名の召使い。
下働き!
18世紀初頭のイングランド宮廷で、アン女王の寵愛を得て出世をもくろむ役ですよ。
ねこなで声でアン女王を褒め称える、というごますり女さ!
先にアン女王の世話をしていた側近サラ役がレイチェル・ワイズなのですが。
お局様ですよ!
サラも毒舌で、平気で体罰を指示する女でコワーイ。
ときどきアビゲイルに脅しをかけてきてましたよ、チンピラみたいに!
アン女王を取り合って、アビゲイルとサラが心理的に戦うことになる展開。
アビゲイルはアン王女に「サラは、お国のお金をくすねてんで」みたいな告げ口を。
サラはアン女王に「アビゲイルは腹黒いで」みたいな告げ口をしたり。
お局様とぶりっ子による、ババア女王争奪戦という構図がオモローイ!
アン王女も、心と体に問題を抱えた複雑な女性。
ときどきキレたり、駄々をこねて大の字になったり大暴れ。
アン王女役を演じたのはオリヴィア・コールマンですが。
深みのある演技を披露していて、これはハマり役だと思いました。
アン王女が通風で「足が痛い。スネが辛い」と苦しむ場面がありましたけども。
当時の治療法が、生のお肉を足に巻く、というもの。
お肉って言っても豚じゃありませんよ、牛(ぎゅう)!
A4サイズくらいもある牛肉。
一体、一枚おいくら?
5000円くらい?
普通に焼いて食べたくなりました。
おかずにしたいんですよ、塩コショウで!
作品では、妙な三角関係に陥った女性を描いておりますけども。
財産の有る無し関係なく、3人とも見事に不幸。
同時にラブストーリーになっているところがスゴイです。
ラストでは、3人とも「愛とは何なのか」を理解して終わってましたしね。
劇中でサラが言った「私は女王相手にだってブスって言う。正直に何でも言い合える関係こそ愛」というセリフが好きです。
相手によって態度を変え、空々しい会話で世渡りをするアビゲイルは、人脈は作れても、真実の愛は得られやすまい。
だから、こんなブログを書くにあたっても、思ったことを正直に伝えるべきだと思いました。
年のいった女性のことは、ちゃんとババアって書くべきだと思いました!(←要らぬ配慮です)
監督は「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」などのヨルゴス・ランティモスなんですよね〜。
鹿殺し監督ですよ!
確かに、全編を通してヨルゴス・ワールドでした。
確かにアンタの変な世界!
この独創的な作風で「女王もの」って、相当珍しいです。
平成最後の年に、新時代の時代劇を観た気分です。