「ファースト・マン」★★★☆ [映画日記]
主人公はニール・アームストロングですよ「地球は青かった」って言う人。(←それはガガーリン!)
ニール・アームストロングは、人類で初めて月面に降り立った人なんですね〜。
土足で上がり込んだ人ですよ!
月面に足跡を付けて、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」って言う人なんですよね〜。
今回の作品は、ニール・アームストロングがNASAでのミッションを経て、月面着陸に成功するまでを描いた伝記作品ですけども。
まずは訓練シーンが過酷。
人が乗ったロケットを度々打ち上げるのですが。
「アンタら、そんなガラクタに乗って宇宙に行くの?!」って思うくらい機材が雑でビックリしました。
内装とか、トタンをネジ付けしただけ、みたいな。
まるでプレハブ!
コクピット内に、ハエが一匹入ってきている場面もありました。
もしかして壁に隙間があるんじゃないの〜?
吹き込むんじゃないの〜隙間風!
そんなんじゃアンタ、ハエどころか、ムカデまで入ってくるんじゃないの〜?!
建て付けが悪そうで、打ち上げ時も相当揺れてますよ、ガタガタガタガタガタガタガタガタ〜!
なんかもう、めちゃめちゃ怖いです。
富士急ハイランドの新絶叫マシーン「高飛車」なんて比じゃないヨ!(←そりゃそうだ)
いっぺん宇宙まで出たロケットでは問題発生。
機体の制御が効かぬとき、飛行士が試してみたことは…。
なんと「電源入れ直す」!
それでもダメなら、「もういっぺん電源切って、入れ直す」!!
ボロ車かい!!
そんなロケットに命を預けるなんて…。
ボクちゃん、ロケットなんて絶対乗りたくナーーイ!
まーね、時代が1960年代ですし、機材の安さは仕方ないですけども。
訓練では、ときどき事故が起きて、そのたびに宇宙飛行士が死んでますよ。
犠牲の量もハンパない。
「みんな、よくそんな危険な仕事をやってるね。そしてお国も、よくそんなバカな事業を続けてるね」という疑問の中で進行するお話。
NASA従業員たちのお仕事ぶり、交流場面もありますけども。
基本、ニール・アームストロング個人について、心のドラマが描かれていたと思います。
夫として、父として、宇宙飛行士として責任を果たすことの難しさ。
とくに仕事については、優秀であり続けることとは、どういうことなのかが、何気なく伝わってくるお話でした。
時に弱さも見せるところも良かったです。
男による男のための、おとこ映画だったと思います。
原作は伝記なので、お話に大きなオチもないのですが。
全体に流れる古臭い情緒と、キャラクターの心理描写にグイグイと引きつけられて、一気にラストまで。
アカデミー賞監督デイミアン・チャゼルの手腕に、確かなものを感じました。
当時、宇宙飛行士が見たであろう、ロケット搭乗時のエレベータからの景色、コクピットの小窓からの景色なども再現。
情緒に臨場感をプラスした、独自の映像になっていたと思います。
デイミアンは、手がける作品ごとに、ジャンルを変えてきますけども。
毎回共通するのは、センスのある音楽使いだと思います。
今回の場合、神経をすり減らす、おそろしい場面が多いのですが。
その節々には、素敵な音楽が流れて「月旅行へのロマン」を演出。
観ている間は、壮絶→ロマン→壮絶→ロマンのリピート。
えずき→うっとり→えずき→うっとりのリピートですよ!
結構なハンドルさばきでした。
ニール・アームストロング役はライアン・ゴズリングでしたけども。
これが意外とハマってない。
イケメンすぎる!
セクシー宇宙!!
まーね、ニール・アームストロングは米国では英雄だろうから、これくらい華のある配役でいいのかな。
サービス・キャストだったのかもよ!