「バスターのバラード」★★★ [映画日記]
コーエン兄弟監督の新作が、Netflixオリジナル映画として配信~。
ついにネットに乗ったわいあの兄弟。
WiFi兄弟ですよ!
Netflixオリジナル映画ってスカが多いですけども、今回は良かったです。
劇場公開されている映画と違って、Netflixオリジナル映画の場合、予告編やCMを見ないまま鑑賞することが多いのですが。
事前の情報が無いまま、いきなり本番なんですよ、アポなし取材みたいに!
それはそれで、鑑賞時に発見や驚きを感じることが多くて面白いです。
やみ鍋みたいなもんですよ!
作品は西部劇。
冒頭から、身なりが清潔で明るい性格のカウボーイ、バスターが登場。
朝の情報番組に出ているアナウンサーみたいに笑顔がさわやかなバスターですけども。
実はスゴ腕のガンマンで、詐欺や殺人を繰り返す犯罪者だという設定。
「なるほど、殺人ものだね。同時にキャラものだね」と思っていたら、すぐにバスターの出番は終了。
すぐに退却、撤収~!
どうなってんの?・・・と思ったら。
実はこの作品は6編で構成されるオムニバス映画だったんですね~。
バスターのパートが第1章なのでした。
オムニバスとなると、各エピソードは別監督が手がけることが多いですけども。
今回の場合は、全部コーエン兄弟の作品。
あの兄弟のお仕切り!
紅白歌合戦を、全部1人で歌いきるようななもんですよ!!
だから、全く違うエピソードでありながら、渋さと美を兼ね備えた作風に一貫性がありますよ。
一曲一曲が別テイストでありながら通して聴くと統一感のある、シンガーソングライターのアルバムでも聴いているかのような気分になりました。
ラストの第6章だけは、よく分からなかった~。
セリフを聞いていても難しく、右耳から左耳に素通りするだけ。
受け流すしかないんですよ!
モヤッとして、不思議な感じの幕切れでしたけども。
その他の全エピソードは、西部劇らしく野心と死が描かれていて、暴力と孤独という味で個性を付けていたと思います。
暴力演出は流石のセンス~。
わずかにユーモアと毒味を入れる、というさじ加減が素晴らしく、「ザ・巨匠のオムニバス」という感じでした。
匠の味ですよ、ゴールドブレンド!(←ネスカフェかい)
出演している有名スターは、リーアム・ニーソンか、トム・ウェイツか、ジェームズ・フランコくらいで、後は知らない人ばかりでしたけども。
名も知らぬ役者さんたちからも、素晴らしい魅力が引き出されていたと思います。
安くて上手いんですよ、松屋のプレミアム牛めしみたいに!
ジェームズ・フランコは、すっかり大人になって、見た目はまるでトム・べレンジャーみたいになってましたよ「山猫は眠らない」だか「山猫は眠らない2」だか何だかの頃の~。