「お嬢さん」★★★☆ [映画日記]
ケーブルテレビで放送されてました。
2016年のパク・チャヌク監督作ですけども。
出演者は韓国系でありながら、ときどき日本語をしゃべってます。
韓国語と日本語のちゃんぽんなんですよ、草なぎ君みたいな!
複雑で長いセリフが多いから、みなさん日本語の練習が大変だったと思います。
リハーサル中には愚痴も言ったことでしょう「日本語が難しいんだよ」と。
「こんなん、やっとれるか!」と。
みんな、2倍は欲しかったことでしょうな、ギャランティもロケ弁も!
時代設定は1930年代で、日本統治下にあった韓国のお屋敷が舞台。
カネ持ちお嬢の秀子さまと、侍女スッキの交流が、ミステリアスに描かれております。
お屋敷とか、お庭とか、美術セットのクオリティが素晴らしい~。
うっとりするほど華麗で、同時に毒のある空気感を出しているのは、流石パク。
流石チャヌたん!
「やっぱり、この人スゴイ」と思いました。
そんなビジュアルの中で繰り広げられる富豪と使用人のやり取りは、英ドラマ「ダウントン・アビー」をほうふつ。
音楽も「ダウントン・アビー」にそっくりで、もはやカバー。
ダウントン・カバーですよ!
「ああ、あんな感じを狙ったんだね」と思って観ていたら。
話の途中から路線は方向転換。
変態路線に真っ逆さま~!
「お嬢さん」というより、「ドスケベさん」という感じに!!
前半では階級社会を描いていたはずですが、中盤からは男女格差という要素も入ってきました。
セクシャル・ハラスメント場面の連続にビックリするやら、ドン引きするやら・・・。
女子が虐げられていて、女児が卑猥な言葉や、放送禁止用語を言わされる場面が衝撃~。
子役がお気の毒~。
あの子にとって、この作品は黒歴史になってしまいましたよ、まだ子どもなのに!
あの子に「パク・チャヌク監督作だから辛抱しな。アンタ、カンヌでは評判が良いはずだからさ、カンヌだけは!もうピンポイントでいいじゃんか」と、慰めてやりたい気持ちになりました。
子役も大変ですけども。やっぱりメイン・キャラクターの秀子さまと、スッキを演じた女優2人が体当たり。
脱ぎっぷりの良さに、映像にはボカシが入りまくってました。
画面全体を覆うくらいのボカシ量!
な~んも見えませんでしたよ、霧の日のスカイツリーみたいに!!
「アデル、ブルーは熱い色」ぽいインパクトはありました。
秀子さま役の女優がな~。
お名前はキム・ミニさんだか、ミニ・ミーさんだか言うお方ですけども!(←キム・ミニさんです)
上手に見えることもあれば、ド下手に見えることもあるんですよね〜。
ヘタウマなんですよ!
そこが魅力なのでしょうけどもね~。
物語の終盤は「男女対決」の構図に。
次々と変わってゆく形態に目が釘付け~。
本編は、約2時間半もあるのに退屈知らず。
壮大な「お嬢大作」でした。