「search/サーチ」★★★☆ [映画日記]
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以来の映像革命かもよ。
全編を通して、パソコンやスマートフォンで行われる検索や、SNS交流の画面だけで構成されているサスペンス作品です。
イマドキの手法ですよ、ナウいわな!
この「ディスプレイ内オンリーの演出」は、ボクちゃん前にも観たことあんの。
本当に観たことあんの、信じてくんろ~!
嘘じゃねぇ、オラ無実だべよ~!!(←ギロチン台での最後の叫びかい)
コメディドラマ「モダン・ファミリー」シーズン6の第16話が、丸ごとこの演出法だったのです。
「モダン・ファミリー」も、「search/サーチ」と同じで、失踪した娘を探すため、親が娘のSNSからヒントを探す、という物語。
あの「モダン・ファミリー」を観たときは「パソコン画面だけで物語が完結するなんてスゴイ」と、度肝を抜かれたボクちゃん。
だから、「search/サーチ」で、初めてこの演出法を体験したお客さんの驚きは理解できますよ。
さぞやビックラこいたことでしょう。
ビックラこいて、屁までこきそうになったことでしょうよ!
ボクちゃんの場合、インパクトという点は薄めでしたけども。
仕方ないわな、2度目だもん。
しかしながら、コメディだった「モダン・ファミリー」と違って「search/サーチ」はシリアス路線だったし、ミステリー要素も強めだったし、コレはコレで十分に楽しめました。
人が生まれてから死ぬまでの間、全てネットが傍に寄り添っているという現代感も、言われてみれば当たり前だけど、改めて見せられると脅威を感じましたしね。
十数年前という時代から始まる物語。
最初はウインドウズの画面なのですが。
数年経ってiPhoneが普及してからはMacの画面になるところにニヤリ。
上手い時代説明でした。
ああ、メカは時代を写す鏡だわな!
劇中ではチャット形式で会話する場面が多くて、明らかに親子間や友人間でのネット交流の裏側が描かれていました。
ネット社会の闇ですよ!
じゃあ「ネット交流は悪なのか」と思ってしまうところですが、結果的に「いや、ネット交流も悪くない」と思わせて終わるところが素晴らしいです。
希望のある「近代コミュニケーション」を見せつけた幕切れにグッときました。
挿入される写真や動画もスナップ感がスゴくて、生々しさが最高でした。
パソコンやスマートフォンの画面て、個人で見るものですが、こうやって改めてスクリーンで見せられると「あるある」が多いことに気付きますよ。
チャットの途中で、いっぺん打ったメッセージを、ちょっと考え直して全文削除したりする場面とか「あるある」。
今回は、この「いっぺん打ったメッセージを、ちょっと考え直して全文削除」という、誰にでも経験がある動作を、温かみのある演出として使っていて感心しました。
無機質な世界観の中で人間味を出すという、センスを感じる場面が多かったです。
監督したアニーシュ・チャガティというインドの人には、今後も注目したいと思います。
さすがITには強いわな、インドのお方は!
「モダン・ファミリー」も「search/サーチ」もそうなのですが。
子が持つSNSのパスワードを、親が簡単に暴くか、再発行してしまうんですよね~。
こわいですね~親パワー!
そんな、親パワーもテーマになっていました。