「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」★★★★ [映画日記]
高校生のカンニング事件を描いたタイ映画ですけども。
山口達也元メンバーと安室ちゃんが共演した1996年の映画「That's カンニング!史上最大の作戦?」のリメイクじゃありませんから!
洗練味のあるエンターテインメント作品で、世界中でヒットしているのも納得。
舞台は、学園内か試験場が多いです。
試験という縛りなんですよ、テスト・ワールド!(←いやな世界だわな)
タイの男子高校生って、制服が半ズボンなんですね~。
まるでカジヒデキみたいでした!(←死語)
まずは軽くて楽しいタッチのサスペンス調で、高校生たちのカンニングが始まりますけども。
まるで高校生版「ミッション・インポッシブル」か「オーシャンズ11」みたいなノリですよ。
そのうち、だんだん重くなっていく展開がたまりません。
カンニングという題材で、胃が痛くなりそうな危機感を出しているところが素晴らしいです。
高校生なんて子どもじゃないですか~。
毛も生えそろってませんよ!(←もう生えそろってますか)
そんなお子さまが、罪の意識も薄いまま、初めて手を出す不正がカンニング。
まだ悪を知らない若者が、カンニングを止められなくなっていくところが怖かったです。
高校生の心が、だんだんカンニング気質になっていくんですよね~、カンニング体質に!
だんだん太りやすい体質になっていくみたいに!!
高校生自体も、最初は友達や家族を助けるために行う不正でしたけど。
一部の者は、カンニングの目的が私利私欲に変化。
善人が悪人になる過程が鮮やかに描かれていたと思います。
学生たちは「頭は良いけど貧乏家」「頭は悪いけど富裕層」という、大きく分けると2つの派に別れていて、格差社会も表現。
「頭の良い富裕層」がいれば問題は無かったんだけど、そんな人いないのかなお蝶夫人みたいな人は?!
友情を育んだり、対立したり、青春風味もあって、確かに高校生映画なのですが。
描かれているような不正、裏切り、格差は、大人社会にもある問題。
高校生映画でありながら、大人も理解できる心理ドラマに唸りました。
キャスティングも全員ハマってる~。
とくに主人公で、優等生のリン役を演じた子の顔が良いです。
頭が良さそうな顔をしてるんですよ、女・小沢健二的な!
東大顔ですよ!!
リンが、大量の解答を丸暗記する場面では、観てるボクちゃんも脳が一杯一杯に。
ああ、脳が痛い!
あんなに多くの情報を短時間で記憶できるって、やっぱりスゴイわな、ガリ勉さまは!
そんなリン役を演じた女優さんの名前はチュティモン・ジョンジャルーンスックジン。
そのお名前が、いまだに全く覚えられぬボクちゃん。
人に聞かれたときは、カンニングして答えたいです。