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「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」★★★ [映画日記]

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ケネス・ブラナー製作・監督・主演による、「名探偵ポアロ」シリーズ第3弾です。
 
シリーズ前作「ナイル殺人事件」公開から、わずか1年半後の新作ですね。
 
ケネスの足腰が立つうちに、やれるだけやっておく、というか。
 
さばけるうちに、さばいとく、というか。
 
稼げるうちに、稼いどく、というか〜?!
 
このままだと、日本の映画館は「名探偵ポアロ」か「名探偵コナン」だけで回せる日が来るかもよ。(←なんてネ!)
 
原作はアガ子先生!!(←アガサ・クリスティ)
 
なのですが。
 
今作の原作は「ハロウィーン・パーティ」(1969年発表)らしいのですが。
 
「ハロウィーン・パーティ」のあらすじをネットで読んだのですが、なんか映画と違うんですけど?!
 
原作の舞台はベネチアではありませんし。
 
原作と無関係なんですよ、ベネチアなんて!
 
どうやら映画化に際して、かなり原作内容をアレンジしたようです。
 
舞台を「オリエント急行」→「ナイル」→「ベネチア」としたシリーズ構成。
 
なるほど、おそらく「旅情サスペンスシリーズ」にするつもり。
 
日本に例えたら「湯けむりシリーズ」みたいなもんですよ!
 
いつか名探偵ポアロさんが日本で活躍する映画も作っていただきたいですね。
 
そんな感じで、アガ子先生の原作があるものの、かなりオリジナルの要素を入れた作品なのですが。
 
出来は良いですね。
 
幽霊屋敷に招かれたポアロが、幽霊にまつわる連続殺人事件を解決しようとするお話。
 
ポアロ VS. オバケ ですよ!
 
人物配置も適度で、殺人事件の中にドラマ性も十分あるし、誰が犯人なのか読めないし、とても楽しいです。
 
「オバケとは人にとって何なのか」という疑問にまで迫っています。
 
「幽霊はいるのか、いないのか」という疑問にまで迫っていて、それは観客の解釈に任せている点もお見事です。
 
ミステリー&サスペンス調の演出が効いてる作風ですが、要所の「ベネチアロケ映像」が雰囲気を盛り上げます。
 
シリーズ前作「ナイル殺人事件」は、撮影時期がコロナとカブり、ロケを断念している場面が多かったので、ロケ映像満載の本作は「シリーズの持ち味を活かせているな」と思いました。
 
ちょっとしたエピローグで粋に締め、まとまり感もありますね。
 
さすがケネス監督、「有名原作」を上手に料理。
 
「シェフのアレンジレシピ」大成功、という感じでしょうか。
 
アガ子先生が書いた複数の小説に登場する、アガ子先生がモデルと言われているキャラクター、女流作家アリアドニ・オリヴァが初登場。
 
演じているのはティナ・フェイさんで、知的でユーモアがあるという、軽いノリの美女役にピッタンコ。
 
これはティナ・フェイさん、良い役をもらったと思います。
 
霊能者役はミシェル・ヨーさんが演じているのですが。
 
舞台のベネチアでは、まあまあ浮いた存在感のヨー子さんでしたが、そういう役だから、これはこれで良いのかもしれません。
 
元々、B級感のあるヨー子さんですが、そのB級感も活かされた役だったと思います。
 
アカデミー賞を取ったばかりのヨー子さんが、霊に憑かれて発狂するわ、ひどい目に遭わされるわで、まあまあヨゴれた演技を披露。
 
アカデミー賞を取ったことを忘れさせてくれる珍役でした。
 
 
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