「ザ・メニュー」★★★ [映画日記]
孤島にポツンと建つ高級レストランが舞台です。
調理長役はレイフ・ファインズということで。
「大人向けの、しっとりとしたグルメ映画なのかな?美味しんぼみたいなやつかな?」と思いましたが、全然違ってました。
料理長は、ひたすら客のエゴをえぐり出し、テーブルに出してくるのは嫌味な献立。
料理長は、まさかのサイコな味奉行!
「お客さまは神様です」なんて言いません。
「お客さまは何様ですか?」と言い放つ系!
時には血が出る、恐怖のグルメ映画に仕上がっていました。
ジャンルとしては「一般人が不条理な状況に陥り、脱出したがる」タイプ。
グルメが題材でありながらカイジ系でした!
そんな発想がユニークで、まあまあ面白い展開でしたけども、怖さが少し足りないかな。
もうひとつまみ入れてほしい、しょっぱさを!(←料理映画だけに)
製作はお笑い界で定評のあるアダム・マッケイとウィル・フェレルなんですよね〜。
もしかしたら、本当のジャンルは「ブラック・コメディ」なのかもしれません。
劇中、レイフ・ファインズとやり合うのが、ワケありの女性客役アニャ・テイラー=ジョイということで。
実質、アニャ・テイラーが主人公なんですよね〜。
ビジュアルは大人っぽい作品なのですが、どっちかって言うと、アニャ・テイラー世代の、若い観客向けの内容かと思います。
アニャ・テイラー世代にとって、レイフ・ファインズって「ハリー・ポッター」シリーズの悪役として認知。
今作の敵がレイフ・ファインズという配役にも納得できました。
レイフ・ファインズって、いつ見ても最高なのですが。
今作も、大物料理長としての登場シーンとかオーラ全開。
おお、見えるぞファインズ、料理の鉄人に!
まるでエゲレスの道場六三郎ですよ!!
レイフ・ファインズがアニャ・テイラーとサシで睨み合う場面もありますけども。
アニャ・テイラーという小娘女優に対しても、一切演技に手を抜かぬファインズ。
ますますレイフ・ファインズが好きになりました。
脇役には、テレビ俳優がズラッと並んでいました。
客の設定は、料理評論家、B級俳優、味オンチ夫婦、若い成金ということで、一般の料理人が嫌いなタイプなのかな。
大きめの役では、ツルツルの「湯上がり卵肌」を持つ男優ニコラス・ホルトが「味オタク」役で登場。
「味オタク」って、料理人が1番嫌いなタイプなのでしょうか、ひどい目に遭わされていました精神的に。
料理人の心理をダークな方向に掘り下げている、とっても珍しい一品でした。
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