「mid90s ミッドナインティーズ」★★★ [映画日記]
amazonプライム・ビデオ内で発掘した、2018年のA24配給作品です。
中古屋で掘り出したブランド品みたいなもんですよ!
俳優のジョナ・ヒルの長編映画・初監督作品ということで、日本公開時にも注目していたのですが、見逃していました。
再生してみたら、なかなか良かったです。
さすがA24、ブランド品!
さすがメーカー品ですよ!!
1990年代半ばのロサンゼルスを舞台にした、90年代テイスト満載の世界観が良い感じ。
画面の縦横比から、昔のテレビサイズでしたから。
これは、90年代の昔話!
主人公は、母子家庭で育つ13歳の少年スティーヴィー。
お家では、威圧的な兄の家来として、お外では、不良グループの下っ端として生きるスティーヴィーの、青春の1ページが描かれた物語。
まずは、お家でも、お外でも、スティーヴィーの生活環境が過酷。
本当は優しい子なのに、不良ぶって酒を飲んだり、タバコを吸っていないと認めてもらえないという基本設定。
いきがってるんですよ!
そんな日々の中で、血だらけになりつつも、しぶとく、強く成長していくスティーヴィー。
毎日が命がけなんですけど?!
アメリカの90年代で生きる子供たちって、こんな感じだったんでしょうか、こんなマフィア映画みたいな?!
あと、少年たちは、みんなスケボーが大好き。
そんなに楽しいか、スケボーが?!
朝から晩までスケボーで遊んでますよ、ゴロゴロゴロゴロ〜!
スマホが無い時代だから、他にやることがなかったのかな?
不良たちが集まると、人種やマイノリティ層に対しての差別発言がポンポン飛び出してます。
個人の趣味や思想に、現代のような多様性が無いことが伺えました。
あらゆる点で未成熟な90年代。
圧巻の無法地帯!
90年代って、とっても野生的な時代だったんですね、石器時代みたいな!!
その反面、日常にはびこる貧困、虐待、薬物問題などは、現代と変わらず。
なんとも、さりげない社会派のメッセージが粋でした。
少年たちが夢を追ったり、夢をあきらめたり、「これからも毎日パーティしたい」と、漠然と未来を見つめる姿に青春味。
どうしようもない時代として90年代を描いた作品ですが、わずかに「夢」という儚さを盛り込んでいるところに趣を感じました。
ジョナ・ヒル監督は、スティーヴィー役の子役に、えっらい体に負担をかける、痛痛しい演技を要求してましたね。
「壁に激突」とか、「首絞め」とか!
なかなかのドS演出家でした。
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