「TITANE/チタン」★★★ [映画日記]
2021年のカンヌ国際映画祭で、パルムドールを受賞した作品ですけども。
観てみたら、まあまあのエグ味!
半分ホラーのパルムドール!!
主人公アレクシアは、少女時代に自動車事故に遭い、手術で頭にチタン製の部品を埋め込まれることに。
手術後も、耳の上に、ちょっと見えていました金属部分。
ハミ出てんの!
まるでターミネーターみたいな女の子!!
そのまま大人になったアレクシアには、肉体的にも精神的にも、変わった現象が。
「車に抱かれたくなる」という珍・現象。
性の対象は「車両」っていう!
目覚めたよ、妙な性に!!
詳細な説明もないし、なんだかよくわかりませんが、どうやら金属人間になったらしいアレクシア。
一体化したんですよ、金属と!
「かんざし」という武器を持ち、気にいらぬ相手を傷つけていく、という、アメコミの悪役みたいな女に昇華。
普通に加入できると思います、スーサイド・スクワッドに!
一体この先、アレクシアはどうなっていく?…という、興味を引きまくる物語になっていますけども。
意外すぎる人間ドラマに目が離せません。
富んでんの、起伏に!
表現も過激で、痛い場面のオンパレード。
ラストまで辿りつくと、新型の聖書でも読んでいたかのような、神聖な気持ちになりました。
最もスゴイと思ったのが、今作が長編デビューとなったアレクシア役のアガト・ルセルという名の若手女優さんですね。
演技が体当たり!
めちゃめちゃ多いです、全裸場面。
「全裸監督」にも出演できそうな勢いですよ!
髪を自分で切ったり、あるいは他人に切られたり、女性の自尊心を全部捨てて、大熱演していました。
監督も30代のフランス人女性で、見た目は女優さんみたいにキレイな人。
こんなステキな女性が、こんなハードな映画を作ったんですね〜。
MeToo騒動以降のハリウッドでは、女優が脱いだり、自尊心を捨てた演技は御法度。
現在では、女優が脱いだり、自尊心を捨てた演技は、フランス人とフランス映画の独壇場に!
今作を観て「フランスって最強だな」と思いました。
今作の監督ジュリア・デュクルノーが影響を受けた映画作家は、デヴィッド・クローネンバーグとのことで「なるほど〜」と思いました。
世界観が、確かにクローネンバーグっぽいです、あのおじさんっぽい。
デヴィッド・クローネンバーグの後釜は、実の息子で映画監督のブランドン・クローネンバーグかと思っていたのですが。
ここにきて「女クローネンバーグ」の爆誕!
ブランドン・クローネンバーグの巻き返しに期待したいです。
観てきました。前半何度か「観るのをやめようかしら・・・」と思ってしまうくらい過激で痛そうで薄目にしたり指の間から画面を見たりしてました。直視は出来ませんでしたー。後半になってからも前半で植え付けられた「いつ痛い場面になるかわからないぞ」という恐怖感(?)で静かな場面でも心臓どきどき。もうどんな場面でも「ひっ」「ひゃっ」とビクビクしてました。それなのに絶対に目が離せないストーリー。演技力なのかなんなのか、もう画面にエネルギーと魅力が溢れてましたよね!終わったあと涙がちょちょぎれました。「感動」というわけではなく、「やっと終わった~」なのか「怖すぎた~」「すんげぇ話すぎた~」なのか自分でもなんで涙が出たのかわかりません!
あんな内容とグロさなのになんか品がある素敵な映画だったように思います。二度と観ないけど好きな映画です。
by スス (2022-05-09 13:07)
ススさん。
ご鑑賞、お疲れさまでした!痛い場面が多かったですね〜。受難の連続で、僕もスクリーンを観てられませんでした!最終的には、なんでか神々しい雰囲気になって、奇妙な気持ちになりました。あれだけ女優が脱いでいながらもクールで、おっしゃるとおり品を感じる作品でしたね。女流監督のセンスなのかもしれませんね。
by のむら (2022-05-09 16:29)