「アネット」★★★☆ [映画日記]
アート系の巨匠レオス・カラックス監督が、ミュージカル作で新境地。
目覚めたヨ、お歌に!
あまりの怪作に、あっけにとられたまま、本編140分が終了〜。
お口が開いたままですよ!
虫が入ってこなくて良かったです、ブヨとか!!
作品からは、スゴイものを感じました、さすがおフランスの大監督。
さすが先生さまですよ!
主に、ハリウッドの芸能人が抱える孤独、またゴシップ、スキャンダル、二世タレントに対する皮肉が描かれているのですが。
簡単に言えば、業界ものなのですが!
ひとっつもキラキラしていない。
あらゆる場面が不気味すぎて、鑑賞中は時々ゾッとしてしまいました。
ヒヤッとしたんですよ、背中にこんにゃくでも当てられたかのように!
「芸能界は異常」と、十分に思わせてくれる雰囲気でした。
ちょっぴり怖い世界観に、ミュージカルという作風が、意外にマッチ。
完全に悪夢を見ている気分に。
うなされたんですよ!
主人公ヘンリーの職業はコメディアンで、劇場のステージでマイクパフォーマンスを披露する場面もあるのですが。
ほとんど笑えぬ不気味ショー!
ヘンリーの芸も不自然ならば、観客の笑顔も悪魔的。
お笑いの舞台のはずなのに、そこは地獄の一丁目に見えました!
「コメディアンの舞台って、見方によって、こんなにも狂気を含んでいるのか〜」と、カラックスさんの着眼点と演出に感服しました。
カラックスさんが演出すると、ルミネtheよしもとの舞台もホラーになるのかもよ!
ヘンリー役を演じているのはアダム・ドライバーなのですが、世界観にピッタリ。
あらゆる巨匠の作品に出演しているアダム・ドライバーですが。
まさかレオス・カラックス監督作品とも相性バツグンだとは思いませんでした。
どんな料理に入れてもおいしい、絹ごし豆腐みたいなお方ですね!
ヘンリーに抱かれるオペラ歌手のアン役は、マリオン・コティヤールが演じているのですが。
コティヤールの歌と演技が一流なのは想定内でしたけども。
初めてですよ、こんなに脱いでる、あの子を見たのは!
今どき、女優を脱がせることができるのは、年季の入った巨匠だけですね。
炎上を気にしないおじさんだけですよ!
アダム・ドライバーとマリオン・コティヤールがバイクに二人乗り。
ノーヘルメットで公道を爆走する場面にもビックリしました。
カラックスさん、アンタ、スターに無茶させて!
その他の出演者は、米ドラマ「ビッグバン・セオリー」のハワード役でおなじみ、サイモン・ヘルバークが大きな役で出演していました。
あと、日本人の俳優さんも何人かチラッと出演しているのですが、福島リラさんとか、水原希子さんとか。
2人とも、出てきたときは「えっ、そんな役で?」と思うくらいの役。
ちんまい役だったのですが!
歌っては、いましたね、一応。
サントラの印税は入るので安心してほしいです。(←いらぬ心配)
宮藤官九郎さん作のドラマ等で見かける古舘寛治さんも、医者役で出てきて仰天。
わたくし、古舘寛治さんの大ファンなのですが。(←ファンである理由:どう見ても芸能人に見えないから)
今作での古舘寛治さんは、アダム・ドライバー、マリオン・コティヤールと大共演。
共演どころか、マリオン・コティヤールに対しては、すんごいポジションをゲット。
なんというか、マリオン・コティヤールの体に触れる役、というか〜。
「古舘寛治さんが、あのマリオン・コティヤールと!」と思って、客席で1人で爆笑していました。
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