「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」★★★ [映画日記]
アマゾンが配給権を獲得し、amazonプライム・ビデオで配信されたドラマ作品です。
主人公の青年ルーベンは、まあまあ人気を博しているハードロック・バンドのドラマー。
太鼓男子ですよ!
プライベートで抱いてるボーカルの女性、ルーとの関係も良好。
ルーベンのガールフレンドがルー、っていうのは、ちょっとややこしいですけども。
似た者カップルということなのかな、ペー&パー子さんみたいな!
ある日突然、ルーベンの聴力が極度に弱くなり、バンド活動ができなくなるという展開。
趣味、仕事、生きがい、一気に無くして苦悩する青年が可哀想すぎる〜。
原案・製作は「ブルーバレンタイン」や「光をくれた人」のデレク・シアンフランスさんということで。
相変わらず、「生活感のある身近な絶望」の作り方がお上手です。
やがてルーベンは、単独で、聴覚障害者向けの救済施設で暮らすことになるが…というお話。
ルーベンの「いつかまた、バンド活動に復帰したい」という焦り、「救済施設で暮らすなんてイヤ」という自尊心、あらゆるイライラに共感〜。
ワシも大体クサクサしてっから!
そんな態度をとりながらも、「聞こえること」「聞こえないこと」の違いや、どっちでも変わらなない人間性を、あらゆる体験を通して学んでいくルーベン。
「難聴という事実を受け入れて、新たな人生を始めるべき。過去には戻れない」というテーマを、なんとなく、ほんのり伝えてくるサジ加減がお見事です。
キレイごとを並べた、お説教映画になっていないところが素晴らしい〜。
「サウンド・オブ・メタル」というタイトルも、バンド音楽から、人生を讃える鐘の音まで、様々な形で引用されていて粋でした。
難聴の表現が印象的。
「聴力が弱いと、こんな聞こえ方になる」というような、くぐもった生活音が、こだわりのある音響で表現されてました。
これはもう、音映画!
がんばりましたよ、音響効果のスタッフ。
グッジョブ、音効さん!
ルーベン役を演じているのは、こないだ観た旧作「ゴールデン・リバー」にも出ていたアジア系男優リズ・アーメッドなのですが。
目ヂカラで観客に訴えかけてくる人ですね。
小鹿のような目の持ち主ですよ、バンビ・アイズ!
今回の演技で、まさかの2021年アカデミー賞ノミネートを果たしました。
ルーのお父さん役は、フランスの大物男優マチュー・アマルリックでしたけど、なんで?!
ルーさん、アンタ、フランス人だったんか?!
なんだ、その妙な伏線!!
マチュー・アマルリックがピアノを弾く場面もありましたけど。
ピアノの音色はするものの、手先は映らず。
「ハハ〜ン、さては弾いてないね。エアピアノだね」と思いました。
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