「メアリーの総て」★★★ [映画日記]
2020年9月にサブスク解禁になった、歴史文芸作品ですけども。
主人公は、19世紀初頭の女性作家メアリー・シェリーです。
「メアリー」と「シェリー」、どっちが「姓」で、どっちが「名」か分からぬ名前ですけどもね〜「由美かおる」みたいな!
冒頭から、読書好きの少女として登場するメアリー・シェリー。
本の虫女ですよ!
彼女がゴシック小説「フランケンシュタイン」を、いかにして書き上げたのか、その様子を描いた物語になっています。
「フランケンシュタイン」を書いた時って、メアリー・シェリーは18歳だったんですね!
小娘ですよ!!
しかし、年齢は若くとも「ネンネ」ではありません。
生娘でもありませんから!
「地味で、落ち着いた映画かな」と思って再生しましたけども波乱万丈。
ひとつも落ち着いてナーイ!
歴史に名を残す人の人生は、さすが色々ありなさる。
メアリー・シェリーは18歳で男性社会の闇を知り、感じた絶望を全て「フランケンシュタイン」に投入〜。
本にブチ込んだんですよ!
「フランケンシュタイン」に出てくる怪物は、当時の女性像を投影したもの、っていう、ものすごい裏話。
鑑賞中は「すごいな〜」と、何度もつぶやいてしまいました。
そんな「フランケンシュタイン」生誕秘話には、メアリー・シェリーの夫で詩人のパーシーや、当時人気の詩人バイロン、「吸血鬼」の生みの親ポリドーリとの交流が欠かせぬらしい。
彼ら芸術家仲間が集まり、怪奇譚を披露しあったという「ディオダティ荘の怪奇談義」も入念に描かれておりました。
そうそう、有名なイベントなんですよね〜「ディオダティ荘の怪奇談義」は。(←アンタ、さっきウィキペディアで知ったんでしょう!)
そうなってくると、ちょっと堅苦しい空気になりそうなものですが、メアリー・シェリー役を演じたエル・ファニングが硬さを払拭。
様々な19世紀のお衣装を着こなすエル・ファニングが、めちゃめちゃかわいいです。
壮絶な人生を、ガール風味で味付けてんの!
激辛カレーにいちごジャムを1瓶入れたようなお味に!!
エル・ファニングには、読書好きっていう設定も似合ってる。
本とか、牧歌的なアイテムと好相性でした。
ドラマ「ダウントン・アビー」のメイド、アンナ役で好感度バツグンだったジョアン・フロガットが、メアリー・シェリーをイジめる継母役で新境地。
今作では強い口調が新鮮でした「何さぼってんだい!さっさと店番に戻んな!」みたいな!
「ダウントン・アビー」での、おしとやか路線から、まさかのクソババア路線に転向〜!!
メアリー・シェリーの父役は、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でスタニス・バラシオン役だったスティーヴン・ディレイン。
メアリー・シェリーがスコットランドで世話になるお宅の娘役が、同じくドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でアリア・スターク役だったメイジー・ウィリアムズということで。
脇役には、ドラマ界から人気者が集結しているのでした。
意外なほど、見どころがいっぱい。
一切期待しないで観たから、楽しめたのでしょう。
テンションを下げといて良かったです、低血圧のOL並みに!
公開時にシネスイッチで観ました!確かに、期待しないで観たらわりと面白い、という感じがぴったり。明らかにダメそうな夫にイライラいたしました。若い時は容姿で選んでしまうものよね…と思ったり。
アンナが出ていたのがちょっと嬉しかったです♪
by M (2020-10-08 00:22)
Mさん。
劇場での鑑賞にこの作品を選びなすったとは、さすがお目が高いです!タイトルやポスターのビジュアルだけでは、内容が伝わりにくい作品ですよね〜。劇中の旦那は、始めっから不倫気質でしたよね。ヒロインは10代なのに、もう不倫に振り回されていて、先が思いやられる人生でした〜。
by のむら (2020-10-08 11:03)